研究者情報

研究者情報一覧


1 Interdecadal fluctuations in the sandfish catch Arctoscopus japonicus in the waters around Japan (Kyuji Watanabe, Sakuramoto K., Kitahara T. N. Suzuki and H. Sugiyama,2007)Fisheries Science ,837-844
本論文はハタハタ漁獲量の変動特性を明らかにするために、日本周辺7海域の漁獲量に対し主成分分析を行った。さらに、北太平洋指数(NPI)と漁獲量変動の関係を検討した。その結果、3つの主成分の累積寄与率は78.3%、第1主成分(PC1)の寄与率は44.0%であった。PC1の因子負荷量は根室を除く全海域で高く、6海域で漁獲量変動の一致性が認められた。また、漁獲量とNPI との変動パターンにも類似性が認められた。上記はハタハタの長期漁獲量変動が強く環境条件に依存することを示唆した。共著者の渡邊氏は博士後期課程2年生で桜本は論文全般について研究指導を行った。
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2 Proposal for stock-recruitment relationship for Japanese sardine Sardinopsmelanostictus in North -western Pacific(Satomi Shimoyama, Kazumi Sakuramoto and Naoki Suzuki,2007)Fisheries Science,Accepted,1035-1041
マイワシの再生産関係について議論した論文である。従来、再生産関係としては、Ricker型やBeverton and Holt型の再生産関係が正しいと考えられ、それに基づいて資源管理がなされてきた。換言すると、密度依存性が非常に重視され、資源管理が実施されてきた。本論文では、密度依存性を重視した従来の再生産関係が間違いである可能性を、マイワシ資源を例に示したものである。本論文の主張するところが正しいとすると、資源管理の考え方や従来の理論的な研究は根本から見直すことが必要になるだろう。
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3 Catch forecsting and relationship between water temperature and catch fluctuations in snow crab Chionoecetes opilio in the western Sea of Japan(Daisuke Yamanaka, Kazumi Sakuramoto, Naoki Suzuki and Tohru Nagasawa,2007)Fisheries Science,73,832-844
日本海西部海域で漁獲されるズワイガニの漁獲量変動と低層から表層までの水温との関係を調べ、4月と9月の水温が極めて重要であることを示した。また、それらの関係を用いて、漁獲量を予測するモデルを開発した。予測制度は水温情報だけを用いてもかなり高いことを示した。
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4 Population dynamics and catch forecasts of sandfish Arctoscopus japonicus in the western Sea of Japan(K.Watanabe, K.Sakuramoto, T.Minami, N.Suzuki,2006)水産海洋研究,70(4),221-228
ハタハタ日本海西部系群の資源変動を説明するため、Ctは親魚量指数とCtと有意な相関関係を示したt-1とt-2における朝鮮半島東岸沖の水温により決定されるという数理モデルを開発した。シミュレーションにより1980-1999年までを予測(外挿)し、予測精度を検討した。予測モデルで有意な環境要因として採用した水深150?m?以深の冬季水温は、冬季混合層の厚さの推定値(MLD)と有意な正の相関関係を示した。また、MLDとCtの長期変動は類似していた。以上の結果から、本系群の資源変動は親魚量とMLDの年変動に関連した環境要因に強く影響を受けていることが示唆された。本論文は第1著者の学位論文の一部を学術論文として公表したもので、 研究指導、論文作成指導を行った。
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5 台湾の小型マグロ延縄漁業の海外展開過程(伊澤あらた, 桜本和美, 鈴木直樹,2005)地域漁業研究,45,51-65
本研究はマグロ類資源の国際的な管理を考える上で必要となる流通・貿易に焦点をあてて分析を行った。生鮮メバチと生鮮キハダの輸入状況を概観し,この中で重要な役割を担う台湾の小型マグロ延縄漁船について,その海外への展開の過程を日本市場との関係から分析を行った。第1著者の伊澤氏は桜本の指導により本研究を遂行し、学位を取得した。
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6 Estimating and monitoring the stock size of sandfish Arctoscopus japonicus in the northern Sea of Japan(Kyuji Watanabe, H. Sugiyama, S. Sugisita, N. Suzuki and Sakuramoto K.,2005)Fisheries Science,71(4),766-783
VPA によりハタハタ日本海北部系群の資源量を推定し,感度解析により推定値に関する不確実性を評価した。さらに,推定値と 1 艘駆回し式底曳網漁業による年間資源量指数および試験操業の単位努力量当たり漁獲量(CPUE)との関係を検討した。その結果,推定値は,最高齢魚の漁獲係数および年齢別漁獲尾数の観測誤差に対して頑健であった。資源量指数と CPUE は,推定値に対して有意な正の関係を示した。調査操業の CPUE は漁期中における資源量のモニタリングおよび総許容漁獲量の調整に有効である。
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7 Collapse of the Arctoscopus japonicus in the Sea of Jaoan - Environmental Factors or Overfishing-(K.Watanabe, K.Sakuramoto, H. Sugiyama, N.Suzuki,2005)Global Environ. Res.,9(2),131-137
秋田県では1992年から3年間ハタハタ漁業の全面禁漁を行った。禁漁後資源は順調に回復し、禁漁による資源回復の成功例として世界的にも有名となった。しかし、資源の回復はレジームシフト等の環境要因によりもたらされたもので、禁漁は必要ではなかった主張する研究者もいる。本論文はハタハタの漁獲量変動が再現可能な数理モデルを作成し、シミュレーションによって上記の問題を検討した。その結果、1970年代後半の漁獲量の激減はレジームシフトによるもの、1980年代以降の漁獲量の低迷は乱獲であることを明らかにした。漁獲量の減少を環境要因と乱獲等の人為的要因に明確に区分して示した論文は世界的にも本論文が最初である。本論文は第1著者の学位論文の一部を学術論文として公表したもので、 研究指導、論文作成指導を行った。
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8 Models for forecasting sandfish catch in the coastal waters off Akita Prefecture and the evaluation of the effect of a 3-year fishery closure (Sakuramoto K., H. Sugiyama and N. Suzuki,2002)Fisheries Science,67(2),203-213
秋田県は3年間のハタハタ禁漁を行ったことでも有名である。また、禁漁の結果ハタハタ資源が大きく回復したことが認められている。しかし一方でまた、資源の回復はレジームシフトによるものであり、禁漁の効果ではないと主張する研究者も出現した。本論文では上記水温情報を用いた予測モデルを開発し、禁漁の効果を判定した。また、環境要因(本論文では水温)として認められているレジームシフトだけでは資源の回復は説明でいないこと、また、禁漁が管理計画の重要な手法の一つであることを明らかにした。1つの魚類資源の長期変動が水温情報によって説明できることを本論文ほど明瞭に示した研究は世界でも例を見ない。桜本はモデルの開発、データ解析、シミュレーショを行った。
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9 日本海北部海域におけるスケトウダラの漁獲量変動と水温の関係(呉 泰棋、桜本和美、長谷川誠三,2002)日水誌 ,866-873
本論文は相関分析、因子分析を行うことにより、日本海北部11海域のスケトウダラの漁獲量変動と表面水温の関係について検討したものである。その結果、(1)北海道日本海側北部海域の表面水温は日本海北部海域の漁獲量変動と極めて強い相関を示すこと、上記のt年の漁獲量はt-3、t-4、t-5年の1月、2月、9月の表面水温と極めて強い相関を示すことを明らかにした。この結果は、長期的なスケトウダラの漁獲量変動が環境要因によって左右されることを世界ではじめて示したものとして注目される。共著者の呉氏は博士後期課程3年生で桜本は論文全般について研究指導を行った。
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10 An estimation of the natural mortality coefficient of the southern Gulf of St. Lawrence snow crab Chionoecetes opilio using a length-specific model(Sakuramoto K., E. Wade, T. Surette, and N. Suzuki,2002)Fisheries Science,68 別冊,477-478
本論文はカナダのセントローレンス湾に棲息するズワイガニ資源の自然死亡係数の推定を試みたものである。従来ズワイガニ資源の自然死亡係数は極めて小さいと考えられてきたために、上記の海域では自然死亡係数を無視してTACの計算を行ってきた。本論文は性成熟率、脱皮率、最終脱皮率、自然死亡率、脱皮回避率、成長率等のパラメータを分布として与えた詳細な資源動態モデルを作成し、自然死亡係数の推定を行った。その結果、ズワイガニ資源の自然死亡係数は、従来考えられていたほど小さくはなく、TAC設定時に自然死亡係数を無視することは資源管理上問題であることを警告した。本研究の結果はカナダ政府主催の資源会議で発表し高く評価された。桜本はモデルの開発、データ解析、シミュレーショを行った。
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11 Relationship between temperature and fluctuations in sandfish catch (Arctoscopus japonicus) in the coastal waters off Akita Prefecture(Sakuramoto K.,T. Kitahara, and H. Sugiyama,1997)ICES Journal of Marine Science, ,54,1-12
本論文は秋田県ハタハタの資源変動がどのような要因により変動するかそのメカニズムを明らかにするために、資源変動要因の特定を試みたものである。ファジィ理論を用いた漁獲量予測モデルを開発し検討を行った結果、秋田県ハタハタの資源変動が男鹿半島入道崎9キロメートル沖、水深200~300メートルの9月の水温と極めて高い正の相関があることを発見した。また、1974年は水温をもとに本論文で計算された環境指標も極端に低下しており、1974年の漁獲量の急減は環境要因と深い関連があることを指摘した。桜本はモデルの開発、データ解析、シミュレーショを行った。
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12 Stock assessment of whiting, Merlangius merlangus euxinus, along the Turkish coast of the Black Sea (Ozdamar E., O. Samsun, K. Kihara, and K. Sakuramoto,1996)J. of Tokyo Univ. of Fisheries,82(2),135-149
本論文は黒海の主要対象魚種であるホワイティングについて成長、死亡、漁獲努力量等のパラメータを推定し、等生産曲線、加入当り産卵親魚量等を計算し、有効な資源管理方策を検討した。その結果、資源が乱穫状態にあることを明らかにし、乱穫状態を改善するための最適な網目、最適な漁獲努力量を提示した。Ozdamar氏はトルコからの留学生で、桜本は解析手法、データ解析の手法等について研究指導を行った。
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13 Factors of catch fluctuations of skipjack tuna in the  north-eastern waters of Japan and its forecasting (Sakuramoto, K., A. Nihira, and S. Ohnishi. ,1995)Fisheries Science,61(6),921-925
本論文は黒潮流路のパターンと、千葉県沿岸の漁獲量および初漁日(最初にカツオが漁獲された日)を事前情報として、東北海域に来遊するカツオの来遊量予測を行うことを試みた論文である。この論文では、上記3つの要因が東北海域へのカツオの来遊量を予測するための極めて重要な要素となることを初めて明らかにした点が注目される。また、従来の予測方法と異なり、カツオ一本釣り漁業とまき網漁業の漁獲データを一括して解析することの重要性を指摘しており、一括して解析することにより、過去に4回の異常年(漁獲量が平均年の2倍以上)があったことを指摘している。また、上記の4回の異常年とエル・ニーニョの関連性についても言及した。桜本はモデルの開発、データ解析、シミュレーショを行った。
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14 Construction of time series analysis model effective for forecast of fishing and oceanographic conditions( ,1995)Fisheries Science,61(4),550-554
本論文は資源量予測や漁獲量予測に必要な海洋条件の予測を行うため、多変量自己回帰モデルを用いた黒潮流軸の離岸距離の予測方法について検討したものである。一般にモデルの誤差分布としてはガウス分布が用いられるが、本研究では誤差分布としてより現実に近いと考えられる非ガウス型分布(コーシー分布)を採用している点が他の方法と大きく異なる点である。AICによりモデル選択を行った結果、本論文で提案したモデルは従来の方法に比べ、よりよいパーフォ-マンスを示すことがわかった。桜本は時系列解析を水産研究へ応用する際の実際的な問題点について議論した。 (Ohnishi S., Y. Matsumiya, M. Ishiguro, and K. Sakuramoto)
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15 A method to estimate relative recruitment from catch-at-age data using fuzzy control theory(Sakuramoto, K,1995)Fisheries Science,61(3),401-405
本論文はファジィ理論のコホート解析への応用を試みたものである。年齢別漁獲データを用いて加入量を推定する方法として広く一般に使用されている手法としてコホート解析がある。しかし、この手法は自然死亡係数の値や最高年齢に対して設定される漁獲係数等の値によって、推定値が強い影響を受けること、また、資源管理上より重要である近年の加入量の推定値が年齢査定誤差により大きなバイアスをもつこと等が重大な問題点として挙げられている。本論文は、ファジィ理論を応用することによって上記の問題の解決を計ったもので、斬新なアイデアに富んだ論文である。ここで提案された方法は、従来のコホート解析に比べ、年齢査定誤差等に対して極めてロバストであることがわかった。
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16 Length-frequency analysis using the genetic algorithms (Golikov S.Y., K. Sakuramoto, T. Kitahara and Y. Harada,1995)Fisheries Science, ,61(1),37-42
本論文は遺伝的アルゴリズムを用い体長組成から年齢組成への分解を試みたものである。一般に、年齢組成データは体長組成データに比べ入手が困難である。その理由は年齢査定等に多大の時間と労力がかかるからである。本研究では、体長組成データから年齢組成データへ変換方法について検討し、最適化手法として遺伝的アルゴリズムを応用することを試みた。シミュレーション等による検討の結果、従来の方法に比べより推定精度の高い変換が可能になった。共著者のGolikovはロシアからの留学生であり、桜本は遺伝的アルゴリズム、データ解析手法等の研究指導全般を行った。
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17 Variation in the population structure of European anchovy, Engraulis encrasicolus L., in the Black Sea (Ozdamar E., K. Kihara, K. Sakuramoto, and I. Erkoyuncu: ,1994)J. of Tokyo Univ. of Fisheries , 81(2),123-134
本論文は黒海の主要対象魚種であるカタクチイワシについて資源診断を行ったものである。まず、対象魚種について、分布、成長、死亡、漁獲努力量、漁獲量の変遷等について検討し、パラメータの推定を行った。また、推定したパラメータを用いて資源動態モデルを作成し資源診断を行った。その結果、1987年から1989年の漁獲量は1976年から1980年までの2倍に増加しており、自然死亡係数、漁獲係数等のパラメータからみて乱穫の兆候があることを明らかにした。Ozdamar氏はトルコからの留学生で、桜本はデータの解析手法、資源管理の考え方等の研究指導を行った。
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18 Movement of Southern minke whales in the Antarctic feeding grounds from mark-recapture analyses (Kato H., E. Tanaka, and K. Sakuramoto,1993)Rep. int. Whal. Commn ,43,335-342
論文11が発表されとことに端を発して国際捕鯨委員会科学委員会でも改訂管理方式への開発がはじめられた。ここで一番大きな問題となったのは系統群の問題であった。従来の資源解析や資源管理の研究では、系統群の問題は重要であることは認識されていたが、取り扱いが難しいため無視され、ほとんど考慮されてこなかった。本論文は管理方式に深く関わる系統群の問題を明らかにするため、標識再捕結果から回遊経路を解析したものである。その結果、南半球産ミンククジラの系統群としては5つの系統群が存在する可能性が示唆された。この結果は、IWCが改訂管理方式の開発にあたり、シミュレーションを行うときに採用された。桜本は問題提議、モデルの提案を行った。
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19 道東沖マイワシ漁況のファジィ推論による予測 (湯 祖恪、桜本和美、和田時夫、北原 武、原田泰志,1992)日本水産学会誌,58(10),1873-1882
本論文はファジィ理論を用い北海道東部沖のマイワシ資源の来遊量予測を行ったものである。一般に漁業に関連するデータには多くの不確実性が内在し、精度よく来遊量資源の予測を行うことは困難である。この論文ではファジィ理論を応用することにより、使用するデータの不確実性に対処する新しい手法を提案している。手法の有効性を従来の手法と比較した結果、提案した手法はデータに内在する観測誤差に対して極めてロバストであることがわかった。共著者の湯氏は大学院修士課程の学生であり、桜本は論文全般にわたっての研究指導を行った。
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20 The firstest recovery of two competing stocks (Harada Y. and K. Sakuramoto ,1992)Bull. Japan Soc. Sci. Fish. ,58(9),1673-1679
本論文は論文11で提案された管理方式について、理論的な面からな検討を行ったものである。論文15と同様に、内的自然増加率の大きさが異なり、初期の資源水準に大きな相違があるという設定条件のもとで、いかにすれば最も早く理想的な状態に両方の資源を移行させ得るかについて検討した。その結果、資源水準の高い種を、すばやく目標資源水準まで低下させることが最速接近方法になることを明らかにした。また、誤って乱獲状態にしてしまうことを回避するためのより現実的、保護的な立場からの管理方策についても言及している。桜本は問題の所在を明らかにするとともに、モデルの開発をサポートし、結果の妥当性について議論した。
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21 On the stability of the stock-harvesting system controlled by a feedback management (Harada Y., K. Sakuramoto and S. Tanaka ,1992)Res. on Pop. Ecol,34(1)
本論文は論文11で提案された資源管理方式について、理論的な面から検討を行ったものである。すなわち、フィードバック方式を用いて競合関係にある2種を管理する場合について、その安定性や具体的な管理指針について検討した。特に、内的自然増加率の大きさが異なり、初期の資源水準に大きな相違がある場合の管理方式について検討した。内的自然増加率の大きな種が低資源水準にあるという仮定のもとで検討した結果、論文11のシミュレーションで得られた結論の正当性が確かめられた。桜本は問題の所在を明らかにするとともに、モデルの開発をサポートし、結果の妥当性について議論した。
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22 Age at sexual maturity of Southern minke whales: a review and some additional analysis (Kato H. and K. Sakuramoto,1991)Rep. int. Whal. Commn,41,331-337
南半球産ミンククジラは競合種であるシロナガスクジラが減少したことにより、増加していると考えられていた。しかし、実際にそのことを示す明確な生物学的証拠がそれまでに示されていたわけではなかった。論文7、9は年齢別捕獲データを解析して加入量の増大を示したものである。また、論文8、10は耳垢栓の年齢査定から推定した年齢と成熟に関する情報を用い、性成熟年齢の低下傾向を示したものである。これらの研究は全く独立したデータを独立した方法によって解析したものであるにも関わらず、結果に整合性があり、また、生物学的にも妥当性が高いことが注目された。本論文では他の鯨種の解析結果とも比較検討しながら、性成熟年齢の低下傾向についてさらに検討を加えたものである。桜本はモデルの開発、データ解析、シミュレーショを行った。
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23 A statistical study on Mazume phenomenon by outdoor tank experiments (Yamada S, K. Takagi, N. Hirayama and K. sakuramoto,1989)Nippon Suisan Gakkaishi,55(9),1547-1552
本論文は網目サイズ、魚群密度、漁具の浸漬時間、天候の影響等を考慮して、マズメ現象について野外実験を行い、結果を分散分析により解析した。その結果、マズメ現象は、魚の密度と照度の変化率に大きく左右されることを明らかにした。また、照度に関しては、同じ魚群密度の場合は、明から暗への移行時の方が、暗から明への移行時の時よりも顕著であること、従って、明から暗への移行時に最初に魚が羅網する照度と暗から明への移行時に最後に魚が羅網する照度には大きな差があり、魚群密度が高いケースでそれぞれ、1.73 lx と0.43 lx であることを示した。桜本は実験計画の作成、野外実験、データ解析を行った。
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24 On the estimation of age dependent natural mortality  ( Sakuramoto K. and S. Tanaka ,1989)Rep. int. Whal. Commn ,39,371-373
国際捕鯨委員会科学委員会は1982年商業捕鯨の10年間禁止を決定し、鯨類資源の包括的評価を行って、上記決定を10年後に見直すとした。本研究は、日本が行った捕獲調査のデータをもとに南半球産ミンククジラの年齢別の自然死亡率を推定した場合の推定精度について、数理モデルを構築し、シミュレーション法により検討したものである。必要な捕獲頭数と推定精度の関係を計算した結果、捕獲調査による予定サンプル頭数825頭では、推定制度が極めて悪いことを明らかにした。桜本はデータ解析、シミュレーショを行った。
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25 A simulation study on management of whale stocks considering feedback systems ( Sakuramoto K. and S. Tanaka ,1989)Rep. int. Whal. Commn, Special Issue,11,199-210
本論文はヒゲクジラ類の新しい管理方式を提案したものである。1986年まで用いられていた管理方式は、仮定された余剰生産量モデルの妥当性や、用いられているパラメータの推定精度に対する管理結果のロバストネスが問題視され、その結果、使用禁止が決定された。また、鯨類資源を管理するための妥当な管理方式がないという理由で、商業捕鯨は10年間禁止された。本論文は余剰生産量モデルを仮定しないヒゲクジラ類の新しい管理方式を提案し、詳細なシミュレーションを行うことにより、推定精度やその他実際に起こりうると考えられるいろいろな状況のもとでも提案した管理方式が極めてロバストで有効な管理方式であることを示した。本論文はIWC科学委員会で注目を集め、IWC科学委員会が改訂管理方式の開発に取り組むきっかけをつくった。以後、桜本は改訂管理方式の開発メンバーとしてIWC科学委員会が改訂管理方式を完成させるために大きく貢献した。桜本はモデルの開発、データ解析、シミュレーショを行った。
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26 A simulation study of the effects of ageing error on trends in age at sexual maturity of the Antarctic minke whale ( Sakuramoto K., S. Tanaka and H. Kato,1986)Rep. int. Whal. Commn ,36,213-219
論文8のモデルについて、さらにいろいろな設定条件でシミュレーションを行い、南半球産ミンククジラの性成熟年齢の低下傾向について検討したものである。その結果、成熟鯨と未成熟鯨との間で分布(生息海域)に差ある場合、捕獲率が異なる場合、耳垢栓の年齢査定誤差にバイアスがある場合、資源が増加している場合や減少している場合等々、考えられるあらゆる場合について検討を行った結果、上記の現象が見かけ上のものでないことを明らかにした。本論文の主張は1997年のIWC科学委員会で正式に認められた。桜本はモデルの開発、データ解析、シミュレーショを行った。
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27 Further developement of an assessment technique for Southern Hemisphere minke whale populations using multi-cohort method  ( Sakuramoto K. and S. Tanaka,1986)Rep. int. Whal. Commn ,36,207-212
本論文は論文7で推定した南半球産ミンククジラの加入量およびその年間増加率の信頼性について検討するため、モデルの改良を行うとともに、最適化手法としてMSMCO(Multi-stage Monte Carlo Optimization Technique)を用いて加入量およびその年間増加率を推定したものである。その結果、1965年から1985年までの21年間、南半球産ミンククジラの加入量の増加率は年間2~4%であると推定した。さらに、シミュレーションを行い、推定結果の信頼性について検討した。結果は論文7同様に南半球産ミンククジラの増加傾向を支持するものであった。桜本はモデルの改良、データ解析、シミュレーショを行った。
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28 A simulation study of several factors which may influence the estimates of a trend in age at sexual maturity of the  Antarctic minke whale ( Sakuramoto K., H. Kato and S. Tanaka,1985)Rep. int. Whal. Commn,35,285-289
南半球産ミンククジラは競合種であるシロナガスクジラが減少したことにより、増加していると考えられていた。しかし、実際にそのことを示す明確な生物学的証拠がそれまでに示されていたわけではなかった。ここで観測された性成熟年齢の低下傾向が事実であるとするならば、それは論文7により推定された南半球産ミンククジラの増加傾向を傍証する有効な生物学的証拠になるものと期待された。本論文では、クジラが誕生してから性成熟に達する過程、捕獲される過程、年齢査定される過程等を含んだ詳細な数理モデルを作成し、それに基づく膨大なシミュレーションを行うことによって、上記の現象が見かけ上のものでないことを明らかにした。桜本はモデルの開発、データ解析、シミュレーショを行った。
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29 A new multi-cohort method for estimating Southern Hemisphere minke whale populations ( Sakuramoto K. and S. Tanaka,1985)Rep. int. Whal. Commn, ,35,261-271
本論文は南半球産ミンククジラのために新しくマルチ・コホート法を開発し、自然死亡係数を既知とし、年齢別捕獲頭数データを解析して、南半球産ミンククジラの加入量およびその年間増加率を推定したものである。その結果、1965年から1985年までの21年間、南半球産ミンククジラは増加傾向にあったことを示し、その間の加入量の増加率を年間3~4%と推定した。さらに、シミュレーションを行い、推定結果の信頼性について検討した。その結果、推定結果は仮定する自然死亡係数の値に依存することがわかった。しかし、推定した増加傾向が有意にならない自然死亡係数の値は0.12/year と極めて大きな値であることがわかった。このことから、南半球産ミンククジラは増加傾向にあったと結論した。桜本はモデルの開発、データ解析、シミュレーショを行った。
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30 ランダムな環境における平衡資源量と平衡漁獲量の安定性について (山田作太郎、田中栄次、桜本和美、平山信夫,1984)東水大研報,71(2),103-113
本論文はランダムな環境下に棲息する資源を管理するための基礎的な知見を得るため、平衡漁獲量、平衡資源量の安定性を理論的に検討したものである。資源変動を表す確率微分方程式をLogisticモデルとGompertzモデルの場合について解き、定常分布と閾値への最初の到達時間の分布をもとに安定性を議論した。その結果、漁獲係数が大きいほど平衡資源量の分散は大きく、漁獲係数が大きいほど閾値への最初の到達時間の平均値は小さくなること等を明らかにした。桜本はモデルの妥当性等について議論を行った。
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31 A study on the planting effect of salmon II. On the effect of planting and feeding (Sakuramoto K. and S. Yamada,1980)Bull. Japan Soc. Sci. Fish,46(6),663-669
本論文はシロサケの人口孵化放流事業について、その効果を算定したものである。特に、1971年から回帰率が急上昇した原因について、論文4のモデルを改良し検討した。その結果、回帰率が急上昇した原因が給餌放流にあることを明らかにし、給餌放流は無給餌放流の4倍の効果があると推定した。しかし、一方で、給餌放流による若齢化の傾向を予測し、現時点では給餌放流の割合が20~50%であるためその影響は顕著ではないが、その割合が増大した場合の問題点を指摘した。桜本はモデルの開発、データ解析、プログラムの開発を行った。
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32 A study on the planting effect of salmon I. A mathematical model for the derivation of their rate of return and its application (Sakuramoto K. and S. Yamada,1980)Bull. Japan Soc. Sci. Fish.,46(6),653-661
本論文はシロサケの人口孵化放流事業について、その効果を算定したものである。シロサケが放流されてから回帰するまでの生活史をモデル化し年齢別の回帰率を、放流尾数、自然死亡係数、漁獲係数、成長率、成熟率で表わし、上記のパラメータが変化したときの回帰率への影響を調べた。また、年齢別の回帰率を推定した。さらに、沖合での漁獲量が及ぼす沿岸漁獲量への影響(先取りの影響)をシミュレーションし、先取りの影響は自然死亡係数に大きく左右されることを示した。桜本はモデルの開発、データ解析、プログラムの開発を行った。
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33 Stock assessment of Antarctic krill by records of a fish finder (Hirayama N., S. Yamada, H.Sakurai, and K. Sakuramoto,1979)Transactions of the Tokyo Univ. of Fisheries,3,71-81
本論文は魚群探知機を用いて南極海のオキアミの資源量を推定したものである。従来の方法では魚群探知機による有効探索幅の推定が困難であり、精度のよい推定が行えなかった。本論文では二項分布モデルを応用することによって上記の問題を回避することを試みた。東京水産大学練習船海鷹丸が南氷洋のオキアミ調査で計測した魚群探知機の記録を解析し、オキアミの資源量を推定した。その結果、南極海のオキアミの資源量を3.6~13.7億トンと推定した。桜本はデータの解析、プログラムの開発を行った。
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34 ウミタナゴ属の再生産機構に関する資源学的研究 (桜本和美、吉原友吉,1978)東水大研報,65(1),43-52
本論文はウミタナゴ属2種ウミタナゴとアオタナゴ資源について資源生物学的研究を行った。その結果、ウミタナゴとアオタナゴは産仔数に大きな差があり、体長―産仔数関係、体重-産仔数関係からそれぞれ2種を分離できること、平均的にはアオタナゴはウミタナゴの2倍の産仔数を持つこと、年齢による産仔数は直線的に増大すること等を明らかにした。また、資源が平衡状態にあると仮定した場合の初期生残率はウミタナゴで0.110/年、アオタナゴで0.054/年であることを推定した。桜本は現場でのサンプリング、鱗による年齢査定、集計データの解析を行った。
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35 等生産曲線の電算機による作図 (吉原友吉、桜本和美,1977)東水大研報,63(2),203-216
本論文は等生産曲線を自動的に作図するプログラムを作成したものである。等生産曲線は資源管理や資源診断を行う際にはなくてはならないものである。今までにいろいろ数表等が作成されているが、その計算は大変面倒であり多大な時間を要する。また、当時は、それらの計算結果をもとにフリーハンドで作図を行うしか方法が無かった。そのためいろいろな魚種について、上記の計算と作図を行うことは時間的にほとんど不可能であった。本研究では等生産曲線を自動的に計算・作図するプログラムを作成し公表した。桜本はプログラムの開発を行った。
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