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令和2年度3月期 卒業・修了される皆様へ(学長式辞・来賓祝辞)

Last Update : 2021-03-25 16:17

令和2年度3月期東京海洋大学卒業・修了における学長式辞
(学部・水産専攻科・大学院)

   

 海洋生命科学部、海洋工学部並びに海洋資源環境学部を御卒業の皆さん、水産専攻科を修了の皆さん、大学院博士前期及び後期課程を修了の皆さん、そして、論文博士を取得の皆さん、誠におめでとうございます。キャンパス内の桜が満開となり、皆さんの門出を祝福しているようです。本来であれば、今日の良き日を迎えるにあたり、陰日向になってご支援、ご指導を賜りましたご家族の皆様や先生方をはじめ、関係各位にご出席いただき、皆さんの晴れの姿を見ていただくとともに、私からも御礼申し上げるべきところですが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大防止の観点から、今回は出席者を制限させていただくとともに、授与式を簡素にさせていただいていることをご容赦ください。
 なお、式の模様については、本日この場に出席できなかった学生の皆さんをはじめ学外の方にもご覧頂けるよう、本学のホームページ上にライブ配信しております。
 
 このように、本日出席できなかった学生やご家族の皆様方には大変残念な思いをさせてしまいますが、「自分は感染しない。もし、感染したら相手に感染させない」をモットーにしている本学の方針をご理解いただければと思います。
 今回は式を縮小して実施しますが、ライブ配信のほかに、大学を代表して私からの挨拶文、本学の前身であります東京水産大学をご卒業された小野寺五典衆議院議員並びに、本学の同窓会の一つであります海洋会の平塚惣一会長からのご祝辞をホームページにそれぞれ掲載いたしますので、そちらもぜひご覧いただければと思います。

 昨年の1月下旬以降、新型コロナウイルス感染症が拡大する中、残念ながら多くの方がお亡くなりになられました。皆さんのご家族、ご親戚の中に、感染された方、また不幸にもお亡くなりになられた方々がいらっしゃいましたら、心からお見舞い申し上げますとともに、謹んで哀悼の意を表します。

 この1年、皆さんは、これまでの人生の中で経験したことがない大きな試練を体験しながらも、それぞれ頑張ってこられてきたことに、敬意を表します。しかし、自分の力だけでここまでこられた訳ではないと思います。今日までお世話になったご両親など保護者の方々をはじめ、教職員の方々に対して、感謝の気持ちを忘れないで下さい。

 本学では、グローバルに活躍する産官学のリーダーを養成するとともに、実践的に活躍できる人材を育てるためにいくつかのプログラムを各学部で設けています。
 今回初めての卒業生を輩出することとなる海洋生命科学部及び海洋資源環境学部では、TOEICのテストで600点以上取得することを4年次への進級要件にしており、皆さんはこれを立派にクリアされてきた方々です。さらに、その上を目指して頑張った方も多かったのではないでしょうか。一方、海洋工学部で実施している「グローバル・リーダーシップ・イニシアティブプログラム」は、英語能力・グローバルな知識・グローバルコミュニケーションの体験及び社会的な責任を担う体験、の4種類の科目に合格した学生に認定するものですが、このプログラムを履修された方も多かったと聞いています。
 これらのプログラムを習得された方々は、その主旨を十分理解し、新型コロナウイルス感染症の収束後には、世界を視野に大いに活躍していただきたいと思います。

 また、社会に出た後、学生時代にもっと勉強しておけばよかったと思われた方は、当時の授業を思い出して学び直してみてはどうでしょうか。慌てることはありません。人生100年時代です。本学の図書館は、いつでも皆さんに開放していますし、「リカレント教育」として、大学院に社会人として入り直すのも良いでしょう。先生方もきっと快く迎えてくれることと思います。

 水産専攻科の皆さん、最後の遠洋航海を通じて、いろいろな意味で一回りも二回りも大きくなったことと思います。今回は、南極海域への航海ができず、大変残念な思いをした方も多かったかとは思いますが、遠洋航海を通じて体得したことが、皆さんにとって、これからの人生における価値ある財産、生きていく力になるものと確信しています。

 大学院の博士前期及び後期課程を修了し、学位を取得した皆さん、また、長年の研究により論文博士の称号を授与された皆さん、この度は、本当におめでとうございます。研究を行うにあたり、実験や作業を通じて論理を展開した中で、壁にぶつかったり、やり直しを強いられたり、様々な困難があったことと思います。とりわけ、とても重要な最後の1年が、コロナの影響で十分な研究や発表が行えなかったのではないかと心配していました。しかし、それらを克服し、論文をしっかり書き、また、国内外の学会などでもリモートを駆使して発表するなど、ご自身の研究成果を世に問うてきたことと思います。さらに、多くの皆さんは、各分野の学会などで様々な賞を受賞されたことを誇りに思います。これまで得た知識と経験は、大変貴重であり、今後充実した人生を歩む礎になると信じています。

 さて、皆さんにとってこの一年余り大学生活が激変した訳ですが、その中で、皆さんは何を学びましたか?今回実施した遠隔授業のメリット・デメリットや、友達との新しい付き合い方など、良きも悪きもいわゆるポストコロナ時代に向けた「新しい生活様式」を体得したのではないでしょうか。今後は、これらの経験を通じて、今までになかった新しい仕事や生活スタイルが実践できるようになるかもしれません。
 特に社会に巣立つ皆さんにとっては、「テレワーク(在宅勤務)」がこれから益々一般的になっていくことが予想されます。海外企業との商談などは、リモート会議で十分かもしれません。また、日本固有の文化でもある書類への押印の廃止や「紙による決裁」に代わって「電子決裁」もさらに進んでいくことでしょう。

 皆さんは、これまで本学でいろいろなことを学んでこられましたが、そこで学んだ知識だけでは十分とは言えません。これからは、本から得た知識や様々な体験だけではなく、再度学んだりしながら絶えず疑問を持ち、解決方法を模索し、総合的な判断を行い、社会に役立つ"高度専門職業人"を目指していただきたいと思います。その際、ポストコロナ時代の「ニューノーマルな社会」を受け入れ、あるいは作り出し、これまでにも増して、充実した人生を歩んで欲しいと思っています。

 今後、皆さんが悩んだ時や、行き詰まったりした時には、論文指導でお世話になった恩師のみならず、本学の同窓会組織である海洋会や楽水会を頼ってみてください。同窓会の会員は皆さんの身近なところにいて、皆さんを助けてくれると思います。そして、まだ、会員になられていない方は、この機会に是非会員になっていただきたいと思います。

 今年は十二支の2番目の丑年で、「子年に蒔いた種が芽を出して成長する時期であり、先を急がず目前のことを着実に進めることが将来の成功につながっていく」といわれている年です。しっかりと前を見据え、先ほど述べたように、将来国内のみならず、世界で活躍されることを大いに期待しています。

 最後になりますが、私は、旧東京水産大学の学生として入学以来、教員そして6年間の学長を含め、通算52年間この大学にお世話になりました。私も、今回晴れて皆さんとともに卒業となります。皆さんの門出を見送りつつ、私も長年通った東京海洋大学を去ります。これまでの皆様方のご支援、ご鞭撻に心から感謝し、お礼申し上げます。本当に有難うございました。そして、すべての皆さんに、幸多かれ!と願っています。
 本日は誠におめでとうございます。

令和3年3月25日               

                                 東京海洋大学長 竹 内 俊 郎        

祝     辞

小野寺五典写真データ.JPG本日ご卒業される皆様、ご卒業おめでとうございます。
今年度の学位記・修了証書授与式は新型コロナウイルス感染症拡大防止を考慮し規模を縮小しての開催とのこと、皆様のお気持ちをお察し申し上げます。
皆様が学ばれ、専門とされます海洋に関する分野はこれから日本が進むべき重要な分野です。
これまで学ばれた知識と経験を糧に新たなる社会生活においてご活躍されることを期待致しますとともに、数多くの思い出を大切に、これから多くの出会いがあることをお祈りいたします。
いま、コロナ過を契機に、世界中のあらゆる国において日常生活や産業構造のあり方の見直し等、歴史的な大変革が迫られております。学ばれた知識と経験が、あらたな地平を開くことにつながるようご期待申し上げます。
東京海洋大学のご功績は教育、研究等、あらゆる分野において高く評価されております。
また、東京海洋大学の前身である東京商船大学、東京水産大学はいずれも百年以上の歴史を有する大学であり、卒業生で構成された同窓会は、強い絆で結ばれ、非常に頼りになる存在であります。
皆さんは東京海洋大学卒業生であることを誇りに社会で、世界で活躍されることをご期待申し上げます。
重ねてとなりますが、本日ご卒業される皆様方の晴れの門出をお祝い申し上げますとともに本日ご参集の皆様方の益々のご発展を御祈念申し上げます。

 令和3年3月25日       

衆議院議員 小野寺 五典  

祝     辞

海洋会会長 写真.JPG一般社団法人海洋会会長の平塚です。同窓会を代表して一言お祝いのご挨拶を申し上げます。本来なれば、卒業式、修了式、学位授与式に出席し、皆さんの前で祝辞を述べるべきところ、新型コロナウイルス感染拡大の防止のため、式典の出席者が制限されていることから、誠に残念ながらそれが叶いません。このような形でのご挨拶となることを御赦し下さい。

本学の所定の課程を終え大学や専攻科、乗船実習科を卒業される皆さん、また、大学院を修了して学位を授けられる皆さん、本日は誠におめでとうございます。心よりお慶び申し上げます。皆さんの積年の努力が結実し、本日、この日を迎えることになりました。卒業生、修了生の皆さんにあっては、充実感、達成感に満ち、また若干の安堵感が混じった、そんな瞬間ではないかと思います。また卒業生、修了生のご家族の皆様にあっては、この日を待ちわびておられたことでしょう、お喜びもひとしおであろうと思います。重ねてお祝い申し上げます。

昨年来の新型コロナウイルスのパンデミックは、人類社会に大きな災禍をもたらしました。この2021年(令和3年)3月半ばまでに世界の感染者は我が国の総人口に匹敵する約1億2000万人を数え、既に300万人近い死亡者を出しています。感染拡大を防止するため人々の接触と移動が大きく制限されました。

卒業生、修了生の皆さんのキャンパスライフにも大きな影響があったものと思います。対面での講義や実習・実験などが難しくなり、オンライン授業に振り替えるといった措置がとられましたが、大学祭や各種のイベントの中止など、学友と共有する時間、空間も制限されました。特に卒業、修了を間近に控えた最終年度に、このような事態に遭遇した皆さんのご苦労や不安はいかばかりだったかとお察しします。ただ、このような困難な時機にあっても皆さんは所期の目的であった卒業、修了を勝ち取られたのです。それは大いに誇りとし、また、これからの長い人生の中での糧として下さい。また、先ほど皆さんのご家族にもお祝いの意をお伝えしましたが、皆さんが今日の日を迎えるにあたっては、ご両親やご兄弟、おじいちゃん、おばあちゃん、ご縁戚の方々など、ご家族の支えが欠かせませんでした。皆さんの恩師である教官をはじめとする大学の関係者の方々のサポートもありました。今日は、皆さんが自らの学業成就をお祝いするとともに、全ての関係者へ感謝する日でもあります。

ところで、感染拡大の防止策として人の接触、移動が大きく制限されたことで、その帰結としての経済の失速や減退には著しいものがあります。各国政府は経済の刺激策としていずれも大規模な財政出動に踏み切っていますが、わが国ではこの何年間かのデフレ対策としての「異次元の金融緩和」によって既にGDPの2倍を超える国家債務を抱えています。その上に財源を国債のみに頼らざるを得ない財政の出動で、国家債務はますます膨れ上がります。皆さんがこれから漕ぎ出す社会の状況は、決して生半可なものではない、ということを、私は皆さんら次世代に負担を先送りしてしまったことへの詫びを添えて申し上げなければなりません。

皆さんがこれから歩んで行こうとする社会で、重要なカギを握るのは環境問題です。21世紀も20年以上が過ぎた今、前世紀からの人類の課題である環境問題の解決は喫緊のものになってきました。思えば私が商船大学で学んでいた50年ほど前、環境問題は汚染や公害といった側面で語られていました。卒業して海運会社に入社しましたが、私が実社会に出る前後にはオイルショックで「省エネ」が新しい言葉として登場しました、その後は地球温暖化、環境負荷、飽食など、言葉を替えながら、環境問題は人類に行動様式の変容を迫ってきました。最近では「持続可能」がひとつのキーワードとなっています。

これからの産業社会では、環境問題と切り離された形での技術開発や資源の消費は許されないでしょう。本学における学術研究も直接、間接に環境問題とリンクする場面が多くなっているものと思います。環境問題を解決するにあたっての海洋大の立ち位置について、さほど議論する余地はありません。皆さんが在学中に学んだ技術や実務方法論が、人類社会の中で活かされることを期待しています。

コロナ禍は、社会や人のあり様を変容させる、ということが言われています。実のところ、人類はその歴史を通じ、環境の変化に応じて度々の変容を遂げてきました。ここで、先日、新聞紙上で目にした、ある著名人の言葉を紹介します。

「人生は難しく、状況は常に変わるもの。大切なことは新しい変化をどう考えて、何をやるか。そしてその自分の判断に責任を持つこと。」

常に状況は変化する。だからその変化を感じ取り、分析して備え、策を実行する。ということですが、最後の一節が心に響きました。「そしてその自分の判断に責任を持つこと」と。責任の取り方には種々あるでしょうが、結果から逃げないこと、それが社会人としてのあり方のように思います。この言葉はサッカーの元日本代表、中田英寿さんのものです。中田さんは44歳、引退から15年近くが経ちましたが、現在ではその活動範囲をサッカー以外にも大きく拡げ、環境問題、観光振興、文化・芸術などの多方面で活躍しています。あらゆる事象は時の移ろいと共に変化します。その変化を予め知ることは難しい。ただ、常に変化を感知するセンサーを磨いておけ、そして、それに責任をもって対処しよう。皆さんの今後の参考になる言葉ではありませんか。

この機会に先輩として皆さんに伝えておきたいことがあります。それは「現場主義」です。物事は現場で起きています。何があるのか、どうなっているのか、まずは先入観念や思い込みを退け、現場の事実に基づいて状況を正しく判断することが大切です。その上で適用すべきセオリーを正しく選んで駆使し、対応策を案出して果敢に実行する、これが私の意味するところの「現場主義」です。

本学の前身である東京商船大学の寮歌「ああ月明は淡くして」に、「汐の香浴びし海の子が、慨世の意気天を衝く」という一節があります。私の好きな一節ですが、後段は「慨世の意気」、すなわち世の中にある矛盾や不条理に憤慨すること、「天を衝く」、空をも突き抜くばかりだ、というところでしょうか。今年のNHKの大河ドラマは日本の資本主義の父と呼ばれた渋沢栄一を取り上げ、題して「青天を衝け」。これを青年の心意気は天にも届け、と解しても大きな齟齬はないでしょう。さて前段の「汐の香浴びし」ですが、潮を浴びるには海や船の現場に出なければなりません。潮を浴びた海の子とは海洋大の卒業生そのものですが、実習や実験で鍛えられた海洋大の卒業生は現場に赴くことを厭わない筈です。

海洋会は東京、神戸の両商船大学をまたぐ同窓会組織であり、1920年(大正9年)に設立され、昨年100周年を迎えました。また東京水産大学の同窓会である楽水会は1921年(大正10年)の創立、こちらも今年100周年を迎えます。旧高等商船学校、旧水産講習所の系譜を引く本学はこの100年を超える歴史の中で、数々の高度な研究の成果を社会に提供するともに、有為の人材を数多送り出してきました。皆さんは海洋大の出身であることに誇りを持ち、今後は海洋会、楽水会の正会員として大学や後輩学生を支援頂くよう、お願いします。また、困ったり悩んだりした時、海洋会や楽水会を訪ねてみて下さい。解決のヒントが見つかると思います。

皆さんの門出にあたり、心からお祝いするとともに、社会で、学究の場で、益々ご活躍されることを祈念しております。本日は誠におめでとうございました。

令和3年3月25日             
           
一般社団法人海洋会 会長 平塚惣一  

 上記の他にも、関係企業・機関の皆さまから祝電など様々な形でご祝意をいただいております。
 この場を借りて、厚く御礼を申し上げます。

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