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令和3年度3月期 卒業・修了される皆様へ(学長式辞・来賓祝辞)

Last Update : 2022-03-25 09:00

  

令和4年3月期東京海洋大学卒業・修了における学長式辞
(学部・海洋科学専攻科・大学院)

      

200601_東京海洋大学_井関俊夫教授_009.JPG 海洋科学部、海洋生命科学部、海洋工学部ならびに海洋資源環境学部を御卒業の皆さん、海洋科学専攻科を修了の皆さん、大学院博士前期及び後期課程を修了の皆さん、本日は誠におめでとうございます。この晴れの日の喜びを分かち合っていただくために、本来であれば、ご家族や親戚の方々にもご出席いただきたいところですが、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、入場者数を制限し、大幅に簡素化した授与式としましたことをご容赦ください。

 さて、皆さんはこの2年間、新型コロナウイルス感染症を原因とする数多くの試練に遭遇し、思い通りにならない日々の連続であったと思います。そのような状況の中で、卒業・修了という一つの大きな目標を達成された皆さんには、心から敬意を表したいと思います。何にも増して、長期間にわたる精神的ストレスや、日々の目に見えないダメージに晒されながら、皆さんは見事に耐え抜きました。人生の新しいスタートラインに立つ前に、頑張ってきたこれまでの日々を振り返りつつ、今日はしっかりと自分自身を褒めてあげて下さい。そして、この喜びをご家族や友人と、3密を避けつつ、分かち合っていただければと思います。

 ところで、1年前の私たちは、「コロナ禍が過ぎ去れば、元の生活が戻ってくる」と思っていました。しかし、既に皆さんもお気づきのように、どうもそうはならないようです。コロナ禍によって社会の規範や価値観が変化し、いわゆるパラダイムシフトが加速されているように思われます。身近な例ですと「リモート会議」、「テレワーク」、「キャッシュレス決済」、「フードデリバリー」などの言葉をよく耳にするようになりました。これらは、コロナ禍に対応するための応急的な手段として広がりましたが、非接触、迅速、物理的な距離を超えるなど、種々のメリットが広く認知されたので、今後も社会に定着して行くと思われます。これらの生活上の変化は仕事の在り方にも根本的な変化を与えようとしています。仕事のWorkと休暇のVacationを融合させた「ワーケーション」という新しい時間の使い方も提案され始めているようです。とても優雅なライフスタイルだと思います。しかし、「働く」のか「遊ぶ」のか、きっちり分けないと気が済まない人にとっては、なかなか受入れ難い変化かも知れません。一方、「遊ぶように働く」という言葉も数年前から耳にするようになっています。もちろん、肯定的な意味で使われる言葉で、「遊ぶように働く」ことが新しいビジネスの創出にもつながると言われています。「遊ぶように」とは、「子供のように好奇心や興味の赴くまま」ということを意味していて、結果の良し悪しにかかわらず、経験として多くのことを学び取ることだと思います。
 コロナ禍の前には、「人間の仕事の50%はAIに奪われる」と言っている人がいました。最近のAI技術の発達からすると、そう遠い未来の話ではないかも知れません。皆さんには、そこで身構えるのではなく、AIをおもちゃと思って、「遊ぶように働く」人になって欲しいと思います。これはコンピュータやプログラミングなどのスキルの話ではなく、それらも使って社会を動かしていく、その仕組みを作り出すことを意味しています。重要なことは、物事を深刻にとらえ過ぎず、視野を広く持って、仲間と一緒に頭脳をフル回転させることだと思います。実験や実習など、実学を重視した東京海洋大学で学んだ皆さんにとっては、違和感無くイメージできるのではないでしょうか。社会に出たら是非実践して欲しいと思います。
 これから先、私たちはSDGsやカーボンニュートラルを達成する必要があります。山積する問題に対して、人類は未だ有効な解決策を打ち出せずにいます。さらに、我が国では、少子高齢化が2042年にピークを迎えるという、2040年問題が確実にやって来ます。今までのように、固定観念の延長線上で頑張っているだけでは、問題を解決することは難しく、長く辛い我慢の時代を経験することになると思います。人類社会を根本的に改革するためには、皆さんの柔軟な発想が必要です。東京海洋大学で学んだことに自信とプライドを持って、社会を少しでも良い方向に導く主役になって欲しいと思います。
 皆さんが社会に出て数々の新しい課題に向き合うとき、これまでの知識や知見、あるいは新しいアイデアが必要になることがあると思います。そのような時は是非、指導教員の先生や、東京海洋大学校友会にコンタクトしてください。本学はいつでも、また、いつまでも皆さんをサポートしたいと思っています。近い将来、皆さんの元気に満ち溢れた笑顔に再び会えることを期待しつつ、式辞とさせて頂きます。

                            令和4年3月25日            

東京海洋大学長 井 関 俊 夫     

    

祝     辞

小野寺五典写真データ.JPG 本日ご卒業される皆様、誠におめでとうございます。
 今年度の学位記・修了証書授与式も新型コロナウイルス感染症拡大防止を考慮し規模を縮小しての開催とのこと、皆様のお気持ちをお察し申し上げます。
 皆様が学ばれ、専門とされます海洋に関する分野はこれから日本が進むべき重要な分野です。
 これまで学ばれた知識と経験を糧に新たなる社会生活においてご活躍されることを期待致しますとともに、数多くの思い出を大切に、これから多くの出会いがあることをお祈りいたします。
 コロナ過を契機に、世界中のあらゆる国において日常生活や産業構造のあり方の見直し等、歴史的な大変革が迫られております。
 また、ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻は、全世界に大きな影響を与え、あらゆる面においては不安が広がり、激動の時代を迎えております。
 学ばれた知識と経験が、あらたな地平を開くことにつながるようご期待申し上げます。
 東京海洋大学のご功績は教育、研究等、あらゆる分野において高く評価されております。東京海洋大学の前身である東京商船大学、東京水産大学はいずれも百年以上の歴史を有する大学であり、卒業生で構成された同窓会は、強い絆で結ばれ、非常に頼りになる存在であります。
 皆さんは東京海洋大学卒業生であることを誇りに社会で、世界で活躍されることをご期待申し上げます。
 重ねてとなりますが、本日ご卒業される皆様方の晴れの門出をお祝い申し上げますとともに本日ご参集の皆様方の益々のご発展を御祈念申し上げます。

 令和4年3月25日       

衆議院議員 小野寺 五典  

祝     辞

★写真_田畑日出男.jpg一般社団法人楽水会会長の田畑でございます。同窓会を代表して一言お祝いのご挨拶を申し上げます。
今年の卒業式は、新型コロナウイルスや変異株の感染症拡大により、昨年に続き変則的な形となり残念です。
皆様方の学業においても、度重なる緊急事態宣言や、まん延防止等重点措置によって、極めて制約を受ける中で勉学に励まれ、大変なご苦労であったと推察いたします。
その中で、本学の所定の過程を終え、大学を卒業される皆様、また、大学院を修了される皆様、本日は誠におめでとうございます。心よりお慶び申し上げます。
ご家族の皆様には、この日をどれほど待ち望んでおられたか、お喜びもまたひとしおのことと存じ上げ、重ねてお祝いを申し上げます。

東日本大震災からはや、十一年が経過し、被災地は徐々に復興しつつありますが、いまだ不自由な生活を余儀なくされている方々、水産業を始め被災した事業の再開にご苦労されている同窓の方々に、まず、心からお見舞いを申し上げます。

さて、社会人となられる方、さらに大学院に進学し学業を続けられる方もおられますが、大学の卒業は、同時に、新しい目標に向けた人生の次なるスタートの時でもあります。
皆様方がそれぞれ活躍される社会は、グローバル化やデジタル化が急速に進む中で、少子高齢化、エネルギー、食料や環境等、様々な分野で課題が山積しています。その解決の為のイノベーション、つまり革新が次々と求められており、今や時代は大きな変革期を迎えております。

このような様々な課題解決のため、DXを駆使し、ビッグデータを集め、AI(人工知能)で判断するという超スマート社会を、Society 5.0として強力に推進し、実現していく社会でもあります。

世界の流れに目を向けますと、国連では、国際社会全体の持続可能な開発のための目標をSDGsとして2030年を期限とする包括的な17の目標と169のターゲットを設定しています。
目標の13では、気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる、14では持続可能な開発のために海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する等、私たちにとって、大きな課題が示されています。

また、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の直近の報告では、「人為起源の気候変動により、自然や人間に対して、広範囲にわたる悪影響とそれに対応した『損失と損害』を引き起こしている」、「気温上昇が1.5℃を超えた場合、多くの自然・社会システムが深刻なリスクに直面する」との警告を示しています。気候変動にレジリエントな社会資本整備を進めていくうえで、生物多様性や生態系の果たす役割は重要であり、その維持のためには、現在の陸域、淡水及び海洋の約30%から50%を適切に保全していくことが必要とされています。

また、第三期海洋基本計画においても、主要施策の中に、海洋の産業利用の促進や海洋人材の育成が挙げられており、本学においては、様々な時代の変化に対応した先端的な取り組みをされておられます。
その一つに海洋産業AIプロフェッショナル育成卓越大学院プログラムが採択され、2020年4月より開講されましたが、今年からは、博士後期課程がスタートし、社会にイノベーティブな人材を送られることを期待しています。

振り返れば、私が本学を卒業する頃は公害対策基本法が制定され、公害問題や環境問題が全国で顕在化し、海域の汚染を始め、その解決のために専門的な技術者の知恵の結集が求められておりました。
私は本学の大学・大学院を通して学んだ知識を生かし、卒業後は一貫して環境コンサルタントとして、社会の要請に取り組んで参りました。

今日我が国では、地球温暖化、資源の浪費、生態系の破壊の、三つの危機を乗り越え、持続可能な社会の姿として、低炭素社会、循環型社会、自然共生社会の各分野を総合的に達成しなければならないとされております。
我が国では一昨年、2050年にカーボンニュートラルを達成する事を宣言いたしました。そのためには、温室効果ガスの排出を2030年までに46%削減し、2050年までは「0」にすることを目指していますが、これらの目標を達成するためには、社会・経済システムの大きな政策の転換や技術革新が求められています。

2030年、2050年頃はどんな姿になっているのか想像してみてください。
一見すれば厳しい社会のさなかにある時代でありますが、考え方によっては、若い皆さん方にとって、大きなチャンスのある時代でもあります。
若いエネルギーは、多様な分野において、力強い牽引力となり、また、本学で学んだ知識は、社会で大きく開花すると確信しております。

ここで、私の先輩としての経験から、次の三点を皆さん方に
心がけていただきたいと思います。

一.「光陰矢のごとし」といいますが、時間の過ぎるのは早いものです。それぞれが目標を立て、課題を見つけ、解決するために自己啓発を怠らないことです。その積み重ねを通じて、イノベーションを起こし、社会課題の解決に貢献してください。

二.仕事の面ではPDCAを回し、満点を目指してください。
「玉磨かざれば光なし」といいますが、社会人になると、仕事のミスは許されません。
私は、このことを「これでよいのか、チェックとアクション」をするようにと言っております。それによって仕事の成果を満点に仕上げてください。

三.社会生活においては、コミュニケーションのできる人であり、報告、連絡、相談つまり、「報・連・相」のできる人になることを期待しております。
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」と言われております。
メールで情報交換をすることも大事ですが、まずは、Face to Face・Voice to Voiceで議論を交わしてください。
そこには、新しい気づきに出会うきっかけがあります。
その中で友情や信頼が生まれ、自然と仕事や学問もスムーズにいくようになります。

最後になりますが、私が会長をしております「楽水会」は、一九二一年に社団法人となり、以来、水産業の進歩発展に貢献して参りました。会報の楽水会誌は一八九一年創刊です。
コロナ禍により、百周年記念式典・祝賀会は一年延期し、ご案内の通り、今年の6月11日に開催する運びとなりました。ぜひご友人をお誘いの上ご参加ください。

また、「海洋会」は、一九二〇年に社団法人となり、海事に関する学術の発展に貢献して参りました。両法人とも、皆さん方の学生生活を支援し、それぞれの産業の発展に寄与して参りました。どうか、皆さん方には、自信と誇りを持ち、母校に対する愛着を持っていただき、今度はそれぞれの会員として大学や後輩を支援していただきますようお願いいたします。
困ったり悩んだりした時には、遠慮なく楽水会や海洋会を訪ねてください。きっと良い解決方法が見つかると思います。
皆さん方のこれからの新しい門出を心よりお祝いし、健康で、社会や学問の世界で更なるご活躍をされることを信じています。

江戸時代中期の名君、上杉鷹山は次のように言っています。
「為せば成る 為さねば成らぬ 何事も 成らぬは人の為さぬなりけり」という言葉です。

これは、「やればできる、やらなければできません。できないのは、やらないからだ」という名言です。
私もこの名言を座右の銘としています。
本日は誠におめでとうございました。


令和4年3月25日             

          一般社団法人楽水会 会長 田畑 日出男  

 上記の他にも、関係企業・機関の皆さまから祝電など様々な形でご祝意をいただいております。
 この場を借りて、厚く御礼を申し上げます。

                                        東京海洋大学            

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