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平成25年度東京海洋大学学位記・修了証書授与式における学長式辞

ご卒業・修了おめでとうございます。本学を代表して、心よりお祝い申し上げます。

また、今日の良き日を迎えるにあたり、陰日向になってご支援、ご指導を賜りましたご家族ならびに指導教員をはじめとする関係者の皆様に、心より御礼申し上げます。

3年前の3月11日に東日本を襲った大震災は、多くの命を奪い、未曽有の大被害を与えました。国を挙げての復興支援が続いていますが、本学もいち早く現地に入り、気仙沼に開設した三陸サテライトを拠点に復興支援を継続している他、岩手大学を中心としたSANRIKU復興支援事業に、北里大学と共に参加し、復興を目指して頑張っている人たちと力を合わせて活動を続けております。また、本学練習船を福島沖に派遣し、放射能汚染の実態解明も続けております。しかし、時の経過によって、被災地、被災者のマスメディアでの取上げの減少に呼応するかのように、私達の意識の中からも東日本大震災の記憶が薄らいでいることを認めなければなりません。東日本大震災を風化させてはなりません。「私達は3.11を忘れない」を、改めて皆さんとともに確認したいと思います。

私は卒業生・修了生を社会に送り出すにあたり、ひとりの先人の言葉を贈りたいと思います。それは「人事を尽くして天命を待つ」です。この言葉は「読史管見」という儒書に収められた胡寅(こいん)の言葉です。よく耳にする言葉かと思います。この意味は、一生懸命にやって、その結果がどうなるかは天に決めてもらおうというものです。たとえ困難に直面しようと、どんなに厳しい状況に身を置こうとも、その時点における自分のベストを尽くし、いかなる結果も受け入れることができる、という積極的な生き方をしようとするものです。「天命を待つ」という姿勢は「何もしないで座して結果を待つ」というあきらめに似た消極的なものではなく、広く大きな心を持って生きて行こうとするものです。大切なことは「天命を待つ」を前提として、できる限り一生懸命やることであり、悔いのない人生を送ろうとすることです。悔いがないということは、たとえ結果が自分の考える道とは違っていたとして、その結果を潔く受け入れるだけの度量を持つことにつながるものです。私は皆さんがそのような人物であってほしいと願うものであります。一人ひとりのあらゆる生活の場において、ものごとに対して全力を尽くし、努力し終わったときには、すべてを受け入れる心境で結果を待つという、広く大きな心を持つ人物として、社会に尽くしていただきたく思います。

我が国の現状は必ずしも先行きが明るいものではなく、悲観的な要素が多いと憂慮する人も多いかもしれません。今の若者は云々と嘆く人も多いかもしれません。しかし、たとえ時代がそうであっても、私は悲観しておりません。皆さんを信じています。皆さんが来たるべき時代を担うのです。皆さんしか次の時代を担う人はいないのです。

最後になりましたが、年齢を重ねると分かることがあると言います。苦しい時、困難に直面した時、同級生、同窓生ほど力になるものは他にないことを知るのもその一つでしょう。多感な青年期に、海洋大で時間と空間を共有した仲間を大切にしてください。必ず力になってくれるでしょう。今は意識することが無いかもしれませんが、同級生、同窓生とはそういうものであることを私の経験は教えてくれています。「同級生、同窓生は人生の宝である」を、先にお話しした「人事を尽くして天命を待つ」の言葉に添えて皆さんに贈り、平成25年度東京海洋大学学位記・修了証書授与式における私の式辞と致します。

平成26年3月25日
東京海洋大学長 岡本 信明

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