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東京海洋大学についてAbout TUMSAT

平成29年度9月期東京海洋大学学位記授与式(学部・乗船実習科・大学院)学長式辞

御卒業・修了、おめでとうございます。今日の良き日を迎えるにあたり、陰日向になってご支援、ご指導を賜りましたご参列の皆様に、まず、心より御礼申し上げます。また本日は、ご来賓として、海技教育機構理事の久門様、本学の同窓会であります海洋会の山本会長、楽水会の田畑会長にご列席賜りました。厚くお礼申し上げます。さらに、日本郵船株式会社人事グループ長代理の大橋様、株式会社商船三井人事部長の安藤様ならびに川崎汽船株式会社海事人材グループ人事チーム長の竹内様にはお忙しいところご臨席賜り誠に有難うございます。

本日、学位記を授与されたのは学部卒業生3名、乗船実習科修了生 航海課程35名、機関課程21名、大学院博士前期課程修了生30名及び博士後期課程修了生17名の計106名の皆さんです。皆さんの門出に際し、大学を代表して一言お祝いを申し上げます。

学部をご卒業の皆さんは、様々な理由で年限を上回って学んでこられました。他の同級生とは異なる選択をして、ここに出席されているわけですが、これまでの時間をぜひ前向きにとらえて、今後の人生に役立てていって欲しいと思います。
乗船実習科の皆さん、この6か月間学部で学んだことの集大成として、十分実習がこなせたでしょうか? 多くの皆さんは海技教育機構の海王丸に乗船して帆船による約2か月間の遠洋航海を行いました。今年はカナダ建国150周年ということで、リッチモンド港に寄港して記念行事に参加し、セイルドリルを実施するとともに、米国のホノルル港に寄港して、両国の文化に接することができ、大変良い経験をされたと思います。さらに、7月からは航海科が銀河丸に、機関科は青雲丸にそれぞれ乗船し、最後の3か月の実習に励みました。特に、銀河丸は本学学生を含め、シンガポールに向けて実習生165人を乗せて遠洋航海を行いました。航海の途中で、第二次世界大戦の激戦海域でありました南シナ海を航行した折、犠牲となられた方々に対して、「今日の海洋国家日本の繁栄の礎となり戦没された多くの先輩船員への哀悼の意を表するとともに、不戦の誓いを新たにするための"船上慰霊式"」を行い、献花、献酒を捧げ、ご遺族からお預かりした手紙51通を3か所の海域に手向け、追悼されたことに対して、大変うれしく思うとともに、しっかりと慰霊式を挙行された皆さんに敬意を表します。 一方、社船実習を選択した20名の皆さんは、日本郵船、商船三井、川崎汽船、そして今年度から実習生を受け入れて頂いた商船三井フェリーの大型船舶で多方面への航海を経験されたと伺っています。そして、コンテナ船、LNG船、自動車専用船、鉱石船、RORO船など、多種多様な船舶への乗船は貴重な経験になったものと思います。
今回、皆さんが乗船実習を通して経験し、習得したことは、これからの人生において価値ある財産、生きていく力となることを期待しています。そして、皆さんはこれから、船舶職員や海上技術者として海運界で大いに活躍されることを楽しみにしております。

修士あるいは博士の学位を取得した皆さん、学位にふさわしい研究を成し遂げられたことに敬意を表します。実験や研究の日々はいかがだったでしょうか?本学はグローバル化推進の一環として、授業の英語化及び海外での発表を支援しています。そこで、ここでは、英語により皆さんにスピーチします。

At the entrance ceremony two years ago, I
mentioned three messages to you.
First, Japan invaded many countries in East Asia
and Southeast Asia, occupied those countries,
and caused great loss of life there. Based on the
lessons this dark history teaches us, Japan is
making efforts, under the banner of pacifism, to
join with people around the world in building a
future free from military force and war. So, in
our research, we pursue the development of
technologies that have no applications in war.
We strive to create environments for peaceful
learning and research that provide safety and
peace of mind.
Second, I stated the following important point,
which concerns the manipulation or fabrication
of data. For scientists, data are of utmost
importance; neither theory nor proof will hold, if
data are tampered with or manipulated. It is
important to read proper data accurately. And
when you are attempting to make a new
discovery, I want you to construct your
hypotheses based on sufficient data.
Third, in the 21st century, we are facing a great
number of problems on our planet, such as the
population explosion, environmental destruction,
and the North-South divide. Together these
problems form what is generally called a
"trilemma." Our task is to find workable solutions.
Did you study these kinds of messages in your
graduate course?

2年前私は入学式の時、3つのことを話しま
した。
1つ目は、我が国は東アジアおよび東南アジ
ア諸国に侵攻し、多くの方々を犠牲にした
教訓を忘れずに、平和主義を掲げ、世界の
国々の皆さんと武力や戦争のない世の中を
構築すべく努力していること。その一環と
して、平和で、安全・安心を提供する学問を
学び、研究において戦争に関わることのな
い技術開発を本学は心がけていることです。

2つ目は、研究不正についてです。科学者に
とってデータは最も重要であり、データを
改ざん、いわゆるゆがめては理論も証明も
根底から成り立ちません。正しいデータを
正確に読むことは重要であり、新たな展開
を図る場合には、十分なデータを基に内容
を構築して欲しいといいました。

3つ目は、地球上において21世紀は多くの
問題を抱え、人口爆発、環境破壊、そして南
北格差のトリレンマとなるこれらの問題に
今後取り組んで欲しい、ということです。

皆さん、私が述べた内容について勉強し研
究できたでしょうか?

最後に皆さんにお話ししたいことは、大体15年先の時点で、65%の人が今は存在しない職業に就くであろうといわれており、今後世の中の仕事の質や量がともに大きく変わると予測されています。その時点で重要となるのは、「コミュニケーション能力」だと言われています。グループとしての取りまとめや方向性を見極める能力が求められます。皆さんには「海洋の未来を拓くために」、その中核となって、世界中の方々とのコミュニケーションを心がけ、未来を切り開いて行っていただきたいと思います。そして、一日一日を精一杯過ごしてください。明日には明日にやらねばならないことが必ず出てきます。仕事をためることは疲労やミスにつながりかねません。ぜひ、一日一日しっかりとした目標と方向性を定め、有意義な人生をお過ごしください。皆さんがグローバルな研究者、船舶職員あるいは高度専門技術者として世界に羽ばたくことを期待しています。

2017年9月28日
東京海洋大学長
竹 内 俊 郎

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