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テーマg.市民科学による赤潮モニタリングシステムの構築(片野俊也)1)ユーザー(市民)が、ウェブサイト上のアプリか専用アプリからスマートフォンのカメラを使って海面を撮影出来る様にする(JPEGではなくRAWデータを取得できるようにする)。その撮影された海面画像のRAWデータから、海面部分を判別して抜き出し、海面部分の色情報(Hue値)を取り出し、サーバーに緯度、経度、時刻、撮影方角の情報を蓄積する。海面画像を撮影したユーザーには、撮影した海面の推定クロロフィルa濃度と赤潮判別評価(例えば、「濃い赤潮」から「赤潮ではない」まで4段階くらいのレベルで評価)の情報を返せる様にする。2)サーバーに蓄積した情報はGISによって地図上に整理し、ウェブに公開する。ユーザーが関心のある海域について時系列毎に赤潮情報や海色、撮影画像を見ることができる。本サブ課題では、このようなシステム開発の基盤整備をおこなう。(結果と今後の展望)東京湾において市販のデジタルカメラ2台を用いて海面画像を撮影し、クロロフィルa濃度の水平分布を調べた。定点観測では調べることのできない高い解像度で水平分布を調べる基礎技術が確立できた。一方カメラによって推定値に違いが生じることもわかった。多様なスマートフォンで高精度に推定する技術を確立するため、周囲の環境情報と撮影情報を学習データとして、クロロフィルa濃度推定技術の向上を図っていく必要がある。赤潮は数日レベルで発達し、空間的に不均一に分布するため、高い時空間解像度でのモニタリングが重要である。現在までに、デジタルカメラあるいはスマートフォンを利用して海面の写真撮影を行い、その画像データから海面の色情報を取り出して、クロロフィルa濃度に変換する技術を確立しつつある。そこで、その手法を活用してスマートフォンのアプリを作成し、多くの市民による海面撮影画像データから海面クロロフィルa濃度や海色を収集し、市民が自ら撮影したデータの全体像を閲覧できる様な仕組みを開発する。(計画・方法)次の機能を持つ、スマートフォンのアプリあるいはウェブサイトの開発を構想している。4.海洋ビッグデータの取得、AI分析研究の推進(1)海洋生物ビッグデータを活用したレジリエントかつ持続可能な漁業を実現する漁業統合支援システムの開発と海洋AI人材の育成

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