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2023年1月23日(月)「"海と生きる"連続水産セミナー第9シーズン2回目」が開催されました。

2023年1月30日

本学では、平成24年に気仙沼市と包括連携協定を締結し以来、水産関係に従事する皆様を対象に、本学の知見を活かした連続公開講座を気仙沼市と共催しています。資源、加工、流通、冷凍冷蔵等、水産に係る広範な事項について行っているセミナーは、今シーズンで9年目を迎えました。今回も対面とオンラインにより集まった聴講者様を合わせて約80名の参加がありました。

 『工夫すれば魚は売れる-漁師から見たらゴミ,消費者から見たら宝!』をテーマに、羽田市場株式会社代表取締役社長(CEO)の野本良平氏に講師として、ご講演いただきました。

 野本社長は、全国の産地を訪れては生産者との信頼関係を築き,都市圏のエンドユーザーが求める魚の締め方,箱詰めの仕方などを直接漁業者に伝授し、産地と⼀丸になって漁獲物の付加価値を高める手法について,自身の経験を基に解説されました。

 「羽田鮮魚センター」では、全国各地から、その日の朝に取った鮮魚が飛行機のフライト時間に合わせて搬入された後、梱包単位での温度測定や入荷状態のチェック、さらにはいつ、どこで獲れたものなのかなどについても厳格に確認されます。消費者が購入した魚の水揚げ日などの情報まで把握できるのは、生産者や漁協と一緒に取り組んで構築されたこの仕組みの強みだと解説されました。

 東京にいち早く魚を届ける為、新幹線や航空便を利用して水産物を輸送し、その収益を生産者に還元すべく,新しい鮮魚流通プラットフォームの構築に取り組んでこられた野本社長は、水産物流通の課題として以下の2つを指摘されました。ひとつは、配送問題として購買者が不在のケースが挙げられています。それが全体の1割~2割を占めており、生鮮物であるために消費者に確実に届けるための仕組みづくりが課題として挙げられています。いまひとつは、多くの家庭で魚そのものが届いてもそれを簡単に調理できる場所・スペースがないことを指摘されました。消費拡大・販路拡大を図るためには、そうしたボトルネックの解消が課題であり、その解決に向けて、朝獲れの魚を新幹線や航空便で運び東京都内の飲食店で魚を捌き、夕方に消費者が引き取れるような仕組みづくりが有効であると提案されました。

 また、飲食店等の情報提供サービスサイト「ぐるなび」の検索キーワードは「鮮魚」、「刺身」を上回り、「朝どれ!」が第1位となっている事実を指摘され、消費者が水産物に「鮮度」をより重視していることを説明されました。

 ご参加いただきました皆様からは、「漁獲した魚の付加価値を高める必要性や手法についてよく理解できた」と、多数のご感想が寄せられました。ご参加の皆様、またご感想を寄せてくださいました皆様、ありがとうございました。

 「"海と生きる"連続水産セミナー第3回目」につきましては、現在気仙沼市とともに計画中であり、詳細が決まり次第改めて三陸サテライトホームページ内にてご案内申し上げます。

 本学では、今後も様々な機会を通じて地域に貢献できる取組を行ってまいります。今後とも皆様からのご支援とご協力をお願い申し上げます。

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講演の様子

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