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石丸隆 特任教授(元 海洋環境学部門 教授)が2013年度日本海洋学会宇田賞を受賞

Last Update : 2013-04-01 09:50

受賞概要

日本海洋学会宇田賞は、顕著な学術業績を挙げた研究グループのリーダー、教育・啓蒙や研究支援において功績のあった者など、海洋学の発展に大きく貢献した本学会員の中から、選考を経て選ばれます。この度、石丸隆 特任教授(元 海洋環境学部門 教授)氏が受賞することとなりました。

受賞対象課題

教育・研究・啓発活動を通した海洋学への貢献及び原子力発電所事故による海洋汚染に関する啓発活動

日本海洋学会長による推薦理由(受賞対象となった活動の内容)

石丸 隆会員は、1970年代半ばから植物プランクトンに関する生理・生態学的な研究を進め、物理海洋学・化学海洋学の研究者らとも共同して多くの成果を挙げてきた。同会員は卓越した機器開発センスにより、現在では海洋調査の標準機器として広く使われているOCTOPUS-CTDを最初に製作・実用化した。この成果を契機として、その後、海水の成層や混合過程に関連した生物学的ならびに光学的過程・動態についての研究が一気に進展した。さらに1990年に発表した論文では、N、N-ジメチルフォルムアミド抽出によるクロロフィルの蛍光測定法を新たに提案し、海洋学における植物プランクトンの現存量推定法のスタンダードを確立した。この他にも、同会員は、計1、000日を超える乗船を通じて若手研究者を教育するとともに、調査船船員との意思疎通を図り、調査船による海洋観測の「型」を作り上げた。特に、同会員は2002年度以来、国内外の研究者を含む調査チームを組織し、南大洋の総合的調査を陣頭に立って推進してきた。この功績は、後世の海洋学界のみならず極域研究全体に対する多大な貢献の一つといえる。

また、石丸会員は、東京海洋大学の事業として2006 年に立ち上げた「江戸前の海 - 学びの輪づくり」のリーダーとして、地域の小中学生およびその家族と協働し、海を体験し、議論することを通じて学びの輪を広げるとともに、江戸前の海を題材に、世界の沿岸海洋の持続可能な開発という広い視野をもった人材を養成すべく尽力している。このような事業の種を撒き育てたことは、海洋学の啓発活動の成功例として特筆に値する。

一方、2011年3月に発生した福島第一原子力発電所事故に際しては、国の緊急時海洋調査に対し、食物網全体の包括的調査の必要性を力説し、東京海洋大学練習船による福島沿岸海域調査を自ら企画し実施した。この調査は多様な情報媒体で大きく報道され、その後の各省庁の調査方針を転換させることに繋がった。また、社会に拡がった食用魚介類に関する不安感に対して、研究者から正確な情報を発信することを重視し、客観的で科学的な説明に努めた。今般の原子力発電所事故について、海洋学の立場から行われた同会員の一連の研究および啓発活動は、永く記録にとどめるべきものと信ずる。
以上、石丸会員が、海洋学の教育・研究や社会への成果普及に尽くした功績は、多岐にわたっており、いずれの分野にも強い影響を与えた。これらの功績は日本海洋学会宇田賞受賞にふさわしく、よって石丸 隆会員を受賞候補者に推薦する。

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