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浮遊生物学研究室のレイラ・バスティ博士研究員がNational Shellfisheries Association・Sandra Shumway賞を受賞

Last Update : 2013-06-24 17:05

受賞概要

Sandra Shumway賞は、アメリカのNational Shellfisheries Association(米国有殻生物漁業学会;1908年設立)の発行する学術誌であるJournal of Shellfish Researchに掲載された論文の中から、学生(研究完了時)が執筆したもので最も優れたものを毎年1つ選び、表彰するものである。
今回の受賞は、2011年に発表された論文が、2012年に審査され、2013年に表彰されたものです。

受賞論文タイトル

Effects of the toxic dinoflagellate Heterocapsa circularisquama on larvae of the pearl oyster Pinctada fucata martensii (Dunker, 1873)
和訳:有毒渦鞭毛藻ヘテロカプサ・サーキュラリスクアマがアコヤガイPinctada fucata martensii (Dunder, 1873)の幼生に与える影響

著者

Leila Basti,1,* Jiyoji Go,2 Keita Higuchi,2 Kiyohito Nagai2 and Susumu Segawa1
(レイラ・バスティ1、郷 譲治2、樋口恵太2、永井清仁2、瀬川進1)
(論文掲載時)1 東京海洋大学 海洋科学技術研究科 無脊椎動物学研究室、2 株式会社ミキモト真珠研究所

受賞対象となった研究(論文)の内容

有毒渦鞭毛藻Heterocapsa circularisquamaヘテロカプサ・サーキュラリスクアマがアコヤガイのトロコフォア幼生およびD型幼生の活性、成長速度、損傷あるいは生残率に与える影響を、調べた。調査では、H. circularisquamaの細胞密度と暴露時間によってそれらの影響がどう異なるのかに着目し、電子顕微鏡を使って形態的損傷の度合いが調べられた。その結果、両幼生の活性は、百から2万細胞/mLへの暴露後3-6時間後に明らかに減少した。損傷の度合いは、トロコフォアでは百から2万細胞/mL、D型では5千から2万細胞/mLで、暴露後3-6時間後に明らかに増大した。様々な「損傷」として、細胞質の流失、粘液の多量な滲出、奇形、殻形成の遅延や阻害、外套膜の突出、面盤の肥大、および表皮の剥離に伴う幼生繊毛の脱落が頻繁に観察された。細胞密度10から2万/mLのH. circularisquamaに12-48時間暴露されたトロコフォアから変態したD型幼生の活性は、明らかに減少した。D型幼生の生残率は、細胞密度5千以上になると急激に落ちた。これらの結果は、H. circularisquamaの赤潮が生活史初期の二枚貝に有害であることを示している。H. circularisquamaの赤潮は、アコヤガイの産卵期に起こると、アコヤガイの新規加入に影響し個体群に生物学的に深刻な影響を与えるであろう。したがって、貝の養殖場は、H. circularisquamaが出現する海域に設置されるべきではない。また、親貝は、赤潮発生の恐れがある時期には、移動させられるべきである。

掲載誌、巻(号)、ページ、発行年:Journal of Shellfish Research 30(1):177-186. 2011

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