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平成26年度沖合海域における漂流・海底ごみ実態調査委託業務調査結果について

Last Update : 2015-04-23 21:32

東京海洋大学(東海正、内田圭一、北門利英、野田明、濱田浩明、林敏史、萩田隆一)、環境省、国立大学法人九州大学により、平成26年7月~11月にかけて日本列島周辺の沖合海域における漂流・海底ごみについて調査を行い、この度、その調査結果がまとまりました。

背景

環境省では、これまで、海面に浮遊する漂流ごみ及び海底に堆積するごみについて全国の代表的な沿岸域において量や組成などの調査を行ってきました。平成26年度においては、これまで行ってきた沿岸域での調査に加えて、日本列島周辺の沖合域(日本海、太平洋等)において、海域別の浮遊密度など漂流・海底ごみに係る詳細な調査を初めて行いました。

今回の調査では、近年海洋生態系への影響が懸念されているマイクロプラスチックについても調査を行い、その実態の一部を明らかにしました。

なお、本調査は、東京海洋大学及び九州大学との連携の下、東京海洋大学練習船2隻(海鷹丸、神鷹丸)の協力を得て実施しました。

調査結果の概要

(1)漂流ごみの目視観測調査

日本周辺沖合域において、漂流ごみの目視調査を実施しました。その結果、海面を漂流していたごみの約56%は,石油化学製品(発泡スチロール、ペットボトル、レジ袋、プラスチック片など)などの人工物であることが分かりました。これらの人工物は、太平洋側よりも、日本海側、特に東シナ海から対馬海峡北東部にかけて多く見られました。発泡スチロールは、東シナ海でも見られるものの、特に対馬海峡付近で多く(最高60個/km2程度)確認されました。また、ペットボトル、ガラス瓶、飲料缶は、東シナ海に多く見られました。(東京海洋大学)

(2)海表面に浮遊するマイクロプラスチックに係る調査

上記(1)の漂流ごみの目視観測調査に併せ、ニューストンネット(目合0.35 mm、通常、表層を浮遊するプランクトンや卵稚子魚の採取に用いるネット)を用いて、1日あたり2~3回程度プラスチック片の採取を行いました。採取されたプラスチック片は九州大学応用力学研究所において分析し、サイズ別に分類して、その数を計測しました。

サイズが5 mm以下のプラスチック片について、調査海域における密度(ニューストンネットでろ過した海水1m3の個数)は、過去の調査(Isobe et al., 2014, Marine Pollution Bull.)で得られた西部瀬戸内海の密度(0.4個/m3)を超える地点が全体の半分程度(45地点中22地点)を占めていました。(九州大学)

(3)海底ごみの調査

東シナ海を中心にトロール網を用いた調査を行い、海底ごみを採集しました。陸地から200km以上離れた沖合の海底からも、飲料缶のほか、漁具の一部を含むプラスチック類などのごみが採集されました。採集された人工物のごみ40個のうち、最も多いのが漁具関係で全体の半分の20個、次いでプラスチック製品が全体の25%の10個でした。これから推定した人工物の平均分布密度は個数で39個/ km2、重量で10.16kg/ km2でした。(東京海洋大学)

マイクロプラスチック:
漂流・漂着ごみのうち約70%を占めるプラスチックゴミは、海岸での紫外線や大きな温度差で劣化し、そして海岸砂による摩耗など物理的な刺激によって次第に細片化していきます。このうち、サイズが5mmを下回ったものをマイクロプラスチックと呼び、これまで数百μmから1mm程度の大きさを持った微細片の浮遊が、世界各地の海域で確認されています。動物プランクトンと同程度の大きさを持ったマイクロプラスチックは、魚類等による誤食を通して容易に生態系に混入するため、その表面に付着した汚染物質の生物体内への輸送媒体になる可能性も指摘されています。

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