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冷凍庫で1年間冷凍した魚から次世代が産まれました!-冷凍庫で凍っていた絶滅種を蘇らせることが可能に-

Last Update : 2015-11-04 09:57

吉崎悟朗教授(海洋生物資源学部門)の研究グループは、1年間冷凍庫内で凍結していたニジマスから機能的な卵と精子を生産し、これらを受精することで正常な次世代個体を生産することに成功しました。具体的には、-80℃の冷凍庫内でまるごと冷凍していたニジマスを解凍し、これらの個体から精巣を取り出したところ、この中に生きた精原幹細胞(精子の元になる細胞)が存在することを発見しました。これらの細胞をふ化直後のヤマメの稚魚(宿主)へと移植することで、この宿主が雄の場合は冷凍魚に由来する機能的な精子を、雌の場合は冷凍魚由来の機能的な卵を生産することを明らかにしました。さらに、これらの卵と精子を受精させることで、冷凍魚の次世代を生きたかたちで生産することに世界で初めて成功しました。

近年、乱獲や環境破壊により多くの魚種が絶滅の危機に瀕しています。一般に絶滅危惧種の遺伝子資源を保存する方法としては卵や精子の凍結保存が挙げられますが、魚類の卵はサイズが大きいうえ、脂肪分に富むため、卵や胚の凍結保存は全く進んでいませんでした。本法を用いることで、絶滅危惧種を冷凍庫内で冷凍しておきさえすれば、たとえ当該種が絶滅した場合でも、現存する近縁種に冷凍魚由来の精原細胞を移植し、絶滅種の卵や精子を、ひいては受精を介して"生きた魚類個体"をいつでも再生することが可能になりました。

本研究の成果は、文部科学省国家基幹研究開発推進事業海洋資源利用促進技術開発プログラムにおける研究テーマ「生殖幹細胞操作によるクロマグロ等の新たな受精卵供給法の開発」および科学研究費補助金新学術領域「サケ科魚類の進化に伴うGSC制御機構の変化」において、東京海洋大学大学院海洋科学技術研究科教授吉崎悟朗が得たものであります。発表論文はNature Publishing Groupのオープンアクセス誌でありますScientific Reportsに2015年11月2日に掲載されました。

掲載論文名

"Production of viable trout offspring derived from frozen whole fish"
(まるごと冷凍したマスからの生残性の次世代の生産)
Scientific Reports 2015年11月2日号

取材等のお問い合わせ先

東京海洋大学 広報室
〒108-8477 東京都港区港南4-5-7
TEL: 03-5463-1609
E-mail: so-koho@o.kaiyodai.ac.jp

まるごと冷凍したマスからの生残性の次世代の生産論文

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