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今田千秋教授(海洋生物資源学部門)が2018年度海洋深層水利用学会賞を受賞

Last Update : 2018-11-06 09:07

10月18日に開催された2018年度研究発表会・第22回海洋深層水利用学会全国大会(10/18-19)(於:韓国高城郡国会研修館において、今田千秋教授が、2018年度海洋深層水利用学会賞を受賞しました。

受賞者

今田千秋(東京海洋大学 学術研究院 海洋生物資源学部門 教授)

受賞研究のタイトル

海洋深層水の有効利用と有用微生物の探索と産業への応用

受賞概要

海洋深層水利用学会賞は、海洋深層水利用研究の推進、その他事業に貢献するところが大きいと認められる成果を公表した個人または団体に選考の上、授与される。

 今田千秋教授は海洋深層水利用学会に入会して以来、一貫して海洋深層水(以下、DSW)の微生物について基礎研究を行うとともに、産業利用に向けて積極的に研究を企画し実践してきた。有用微生物の分離源が、微生物数の多い表面海水(以下、SSW)、沿岸の海底堆積物や海洋生物由来に限られており、新規活性物質の発見頻度が著しく減少してきたことから、これまでほとんど微生物の分離例がないDSWに着目し、まず全国8か所の取水設備からDSWとそのSSWを入手し、微生物の群集構造を遺伝子レベルで調べた。その結果、SSWには存在しない独自の群集構造がDSWに存在し、新たな微生物の分離源として大変有望であることを明らかにした。
 そこで、培養法を用いた有用微生物探索の結果、抗癌物質生産放線菌、酸化ストレス耐性物質生産海洋細菌、細胞賦活物質生産海洋細菌、チロシナーゼインヒビター生産海洋性乳酸菌、酸化ストレス耐性物質生産性海洋酵母など産業的に有用な微生物を次々に分離した。 それらの微生物の分類学的性状や培養条件を調べたのち、有効物質を培養液から単離・精製して化学構造解析を行うとともに各種培養細胞に対する生物活性を明らかにした。
 その結果、DSWには陸上に全く見られないユニークな性状を有する微生物、新種の微生物及び新規物質生産微生物も多く存在し、DSWが新規有用微生物の宝庫であることを示すなど、多くの成果を得ている。
 これらは、本学会やその他学会誌で論文掲載され、また講演発表も多数行われており、DSWの有効利用推進ならびに産業への応用に大きく貢献した。

IMG_2278.JPGのサムネイル画像
高橋正征海洋深層水利用学会長(左)今田千秋教授(右)

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