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盛田元彰准教授(海洋電子機械工学部門)が日本地熱学会研究奨励賞を受賞
Last Update : 2018-11-21 16:30
11月14日に開催された平成30年学術講演会(於:東京都北区・北とぴあ)において盛田元彰准教授が日本地熱学会研究奨励賞を受賞しました。
受賞者
盛田元彰 (東京海洋大学 学術研究院 海洋電子機械工学部門 准教授)
受賞概要
研究奨励賞とは、日本地熱学会発行の出版物に地熱に関する優れた原著論文を発表した将来を嘱望される研究者あるいは技術者に授与されるものです。
対象論文
Thermodynamic analysis of silica-based scale precipitation induced by magnesium ion
日本地熱学会誌,第39巻,4号,191-201,(2017)
受賞の内容
近年の地熱発電開発において、低温熱水を用いた小型の地熱発電の役割が重要視されており、国内各地にそのような発電所が建設され運転を行っている。従来の大型地熱発電所同様、小型発電所においてもスケール対策は発電事業の経済性確保の面で極めて重要である。
本研究はこの課題に対してスケール鉱物生成の予測を行い、その結果に基づいてスケール鉱物生成を最も軽減する熱水の運用方法を提言するものである。
本研究では、バイナリー地熱発電所(雲仙市小浜町)に生成するスケールと熱源の熱水を採取・分析し、炭酸塩鉱物、シリカ鉱物、マグネシウム珪酸塩と言ったスケール鉱物の沈殿傾向を化学平衡論から検討した。スケール鉱物の沈殿傾向を温度とpH への依存性として取りまとめ、鉱物沈殿を最小化する温度・pH 条件を導き出した。
本研究では、バイナリー地熱発電所(雲仙市小浜町)に生成するスケールと熱源の熱水を採取・分析し、炭酸塩鉱物、シリカ鉱物、マグネシウム珪酸塩と言ったスケール鉱物の沈殿傾向を化学平衡論から検討した。スケール鉱物の沈殿傾向を温度とpH への依存性として取りまとめ、鉱物沈殿を最小化する温度・pH 条件を導き出した。
以上のように、本研究は実際のスケーリングを原理的かつ実用的な手法をもって検討したものであり、小型発電所のみならず様々な地熱発電所に適用できる可能性を持つ。 また、本論文に述べられているように鉱物沈殿の速度論を含めた今後の研究の発展が期待される。
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