国立大学法人 東京海洋大学

専攻案内

海洋科学技術研究科は、海洋科学部、 海洋工学部のそれぞれの専門領域を深化させるとともに、融合した学際領域について新しい教育研究分野として創生します。 本研究科は区分制博士課程とし、博士前期課程は、 海洋生命科学、食機能保全科学、海洋環境保全学、海洋管理政策学、海洋システム工学、海運ロジスティクス、食品流通安全管理専攻の7専攻で構成し、学部の専門基礎教育に立脚した 高度専門職業人等 を養成します。 博士後期課程に ついては、応用生命科学、応用環境システム学の2専攻で構成し、先端領域を切り拓く自立した高度専門職業人等を養成します。

求める学生像

時代や社会に機動的に対応でき、地球規模での海洋に関わる諸問題の解決に創造的に立ち向かい、かつ、海洋とその関連 産業分野における先端領域を切り拓く意欲と能力を持つ学生を求める。

博士前期課程

博士後期課程

博士前期課程

海洋生命資源科学専攻

海洋生物の生理・生態を基礎として、それら生物が海 洋で生活できる特殊な仕組みの解明やその特徴を活用した生物資源の管理と修復保全、収穫システムや増養殖生産、環境計測や有益環境の創出等、生物生産に係わる総合的な高度利用に関する学理と技術を教育研究します。研究・実務の融合による高度専門職業人の育成を目指した「広域履修コース」も開設しています。

求める学生像

海洋生物に特異な生命活動の仕組みの解明やその特徴を活用した研究に興味があり、その成果を海洋生物資源の保全と持続的利用に応用することに意欲をもって取り組み、自立して研究を進める能力のある学生を求めます。

専攻分野

水圏生物科学
海洋生物の生命現象の解明とその生命システムなどの理解を通じて、絶滅危惧種の増産も可能にする「借腹」種苗生産技術の開発、環境共存型養殖のための飼料開発,完全循環型の養殖工場の設立、海藻の特性や機能の有効利用とその応用による有益な海洋環境の創出を目指す技術開発、分子育種や分子疫学による生物生産の安定化技術開発、極限環境に生息する生物の特性利用技術開発、生物機能を利用した環境計測や修復技術の開発等を行い、生物生産の高度利用への応用が可能な教育研究を行います。

生物資源学
海洋生物の個体群ダイナミクスや集団遺伝、資源培養、行動・成長・生残・回遊等の生態特性および漁獲過程等の学理を基礎として、環境と調和した海洋生物資源の持続的利用と生物多様性の維持保全に関する分野を対象とします。具体的には、種の分化や系統進化、資源の系群構造の解明と増殖保全、栽培漁業や漁業・遊漁の影響評価、生態系や地球環境と資源変動との関連、混獲防除や選択漁獲といった合理的な漁獲技術の開発を通じて,資源開発と管理システムを構築し、生物資源と人間の共生へ応用するための教育研究を行います。

海洋生物工学
海洋には水産生物だけではなく、鉱物などの多様な海底資源が存在します。これら資源の有効利用を可能にするためには、水産学と工学とが融合したバイオエンジニアリングやバイオテクノロジーの先端的技術について、基礎から応用までを幅広く理解することが必要です。当分野では漁場環境の保全ならびに食品として安全な水産物を生産し流通するための養殖管理技術、魚介類有用遺伝子の機能解析とその応用に関するゲノムサイエンス、有用微生物の探索およびそれらの機能解析や応用などについて教育研究します。また、生物を利用した海洋のエネルギーや鉱物資源開発などについての応用研究も目指します。

入学定員

50名

入学定員

食機能保全科学専攻

水産食品を中心とする各種食品の製 造・貯蔵・流通・消費などに関する諸原理と先端技術を教育研究します。特に、人の健康増進および恒常性の維持を視野において、原料から消費に至るまでの食品の安全性・健全性の確保と向上および食品の機能性向上について、それらを支える化学的・微生物学的・物理学的・工学的な視点から、また、学際的な技術の 開発などについてそのデザイン能力と遂行能力を総合的に教育研究します。

求める学生像

本専攻では、原料から消費に至るまでの過程における食品の安全性の確保と向上、食品の栄養・保健機能の解明および食品品質の最適制御に関して興味のある学生を求めます。また、自ら課題を設定し、解決する意欲のある学生を求めます。

専攻分野

  • 食品保全機能学
  • 食品品質設計学
  • サラダサイエンス(寄附講座)

入学定員

32名

入学定員

海洋資源環境学専攻

海洋環境を保全しつつ、資源を持続的に利用するため、海洋の成り立ちと保全、海洋生物と環境との関わり、海洋・海底資源及びエネルギーの開発と利用に係わる諸課題について、理学的及び工学的な視点からその先端的な学理と応用技術に関する教育研究を行います。

求める学生像

海洋の環境とその保全、海洋生物と環境との関わり、海洋資源およびエネルギーの応用的開発や持続的利用に係る諸課題に関心を持ち、幅広い知識と技術を修得して、課題解決の方法を積極的に探求する意欲を持つ学生を求めます。

専攻分野

  • 海洋環境科学
  • 海洋資源エネルギー学

入学定員

65名

入学定員

海洋管理政策学専攻

近年、わが国周辺の水域では、海洋の国際秩序を形成する必要性が高まっています。日本の海をめぐっては、海洋環境の悪化や水産資源の減少などの従来からの諸問題に加えて、漁業資源・沿岸開発・レクリエーションなどの海洋利用をめぐる競合が激しくなっています。さらには密輸・密入国、海賊・海上テロなどの安全に対する脅威があり、対処療法的な対応では解決できない課題が山積しています。こうした諸問題を解決するには、海洋を総合的かつ計画的に調査・利用・管理すること、そのための政策を立案することが不可欠なのです。

求める学生像

多面的に利用されている海洋を計画的に利用しかつ保全するための総合的管理・政策について興味があり、自然科学と社会科学の両分野にまたがる学際的な課題の解決を探求する強い意欲を持つ学生を求めます。

専攻分野

  • 海洋政策学
  • 海洋利用管理学
  • 海洋環境文化学

入学定員

22名

海洋システム工学専攻

海洋人工物と海洋環境の調和という観 点に立って、海洋観測・調査・作業機器や船舶・機械構造物などの海洋人工物を構成する機器・機械、それらを統合した運用システムまでの広い分野について、 システム工学・環境工学・安全工学を核とする学問体系の下で、開発・設計・構築あるいは製作技術についての教育研究を行います。

求める学生像

海洋資源や海洋空間の総合的有効利用に係わる高度専門職業人を養成するため、海洋人工物と海洋環境の調和という観点よりシステム工学・環境工学・安全工学を核とする学問体系の下で理解を深め、船舶・海洋構造物・沿岸施設、ならびにそれらに使用される海洋機械・海洋情報計測機器などの機器類の機能向上や効率化について教育研究します。

専攻分野

  • 動力システム工学
  • 海洋機械工学
  • 海洋サイバネティクス
  • 海洋探査・利用工学

入学定員

19名

入学定員

海運ロジスティクス専攻

海上貨物輸送の主体である船舶の安全性、環境と調和した経済性確保、高度な情報技術を応用した運航管理の方法などに船舶の運航技術を活用した新たな海洋構造物を設計、運用、管理する分野、また、貨物の流れを、海・陸・空輸送を含む複合一貫輸送の中で捉え、その物流の経営工学的最適化、経済性、貨物情報のネットワーク化、港湾の貨物管理の情報化など、物流に関する社会工学的側面についての分野などの教育研究を行います。

求める学生像

地球的規模の視野を持ち、交通と物流の安全・効率に関する諸問題を発見し、解を考えるための理論的・実学的素養の修得に意欲を持つ学生を求めます。

専攻分野

  • 情報システム工学
  • 海洋テクノロジー学
  • 海上安全テクノロジー
  • 流通システム工学
  • 流通経営学
  • 環境システム工学

入学定員

32名

入学定員

食品流通安全管理専攻

グローバル化した社会においては,食品の一次生産から最終消費に至るフードサプライチェーンの全体に係わる食品安全マネジメントシステムを一般論として理解するとともに、各論としては、人材養成のニーズの大きな食品生産・加工分野及び食品流通分野に重点をおいた食品安全・品質管理専門家を養成します。同時に、食品安全に係わるリスクを考慮した上での経営方針を企画策定し、実施の指揮をとることが出来る、総合的な能力を持つ経営者・管理者としての人材を養成します。

求める学生像

フードサプライチェーンのさまざまな過程での食品安全・品質管理について体系的に学習し、基礎力を蓄積すると同時に、問題解決能力・判断力の鍛錬を通じて、食品安全・品質管理の専門家になること、さらに、食品安全に係わるリスクを考慮した上での経営方針を企画策定し、実施の指揮を取ることが出来る、総合的な能力を持つ経営者・管理者として自己の能力を開発したいという強い意欲を持つ学生を求めます。

専攻分野

  • 食品流通安全管理学

入学定員

8名

入学定員

博士後期課程

応用生命科学専攻

海洋生物の生理・生態・機能を、最先端の分子生物学・化学を駆使して総合的に解明し、環境との調和による資源確保、物質生産と維持、及び安全、高品質食品の設計と創製等、生物生産系及び食品系の複合領域も含めて、海洋生物資源の持続的生産と高度有効利用を目指した先端的学理と技術開発について教育研究します。

求める学生像

海洋生物資源、食資源など応用生命科学に係る諸問題の解決、さらにそれら資源の保全と持続的利用を目指して、これらの機能性の解明、生物活動の特徴と営みの解明もしくは利用の研究に関心を持ち、自らそれらの課題設定を行い、解決と応用展開が出来る意欲ある学生を求めています。

専攻分野

  • 応用生物科学
  • 食品機能利用学
  • 応用生物工学

入学定員

19名

応用環境システム学専攻

応用環境システム学専攻では、海洋環境の解明・利用・保全に関した学理と技術に関連する学際領域の開拓と教育研究を行い、海流の変動機構・物質拡散の計測と予測、資源探査技術の創出、海洋生物と環境の関わり、安全効率的な海上交通輸送システムの構築、先端推力システムの開発、海洋管理政策提言等を対象とします。海と人間の共生の観点から総合的能力を持ち、指導的な立場に立てる人材の養成を目指します。

求める学生像

海を知り、守り、利用する観点から、海洋環境の調査や保全・修復のテクノロジー、海上輸送と港湾における物流、エネルギーの高効率利用に関わる先進の科学技術について、多面的思考を以って取り組むことによって問題解決に至る能力を有する学生を求めます。

専攻分野

  • 海洋環境学
  • 環境保全システム学
  • 海洋利用システム学
  • ロジスティクス
  • 海洋機械システム学
  • 産業政策文化学
  • ※海上安全テクノロジー
  • ※海洋探査・利用工学

入学定員

21名