国立大学法人 東京海洋大学

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令和5年度4月期 入学される皆様へ(学長式辞・関係者祝辞)

イベント 在学生の方

令和5年度4月期 東京海洋大学入学式における学長式辞

(学部・海洋科学専攻科・乗船実習科・大学院)

 海洋生命科学部、海洋工学部、海洋資源環境学部、そして海洋科学専攻科、大学院海洋科学技術研究科への入学・進学生の★A_SDIM5201.jpgのサムネイル画像皆さん、また、実習航海中あるいは出港準備中で本日出席できない乗船実習科の皆さん、本日は誠におめでとうございます。本来であれば、ご家族やご親戚の方々にもご出席いただくところですが、毎年利用していた学外の会場が昨年9月末に営業を終了しましたので、今年度はこの越中島会館講堂で複数回に分けて入学式を実施することにしました。この講堂の広さで長時間の式典を実施することは、感染防止の観点から若干の不安もありますので、入場者数を制限し、大幅に簡素化した、短時間の入学式としましたことをご容赦ください。

 さて、皆さんは3年以上にわたるコロナ禍で大変な苦労を経験してこられたと思います。大学入学共通テストや個別学力試験の当日まで、あるいは卒業研究や修士論文の審査当日まで、感染防止と体調管理に細心の注意を払う必要があり、精神的なストレスは大きかったと思います。皆さんの忍耐力と意志の強さに心から敬意を表します。

 皆さんは晴れて本日、本学の学生として新たな学びのスタートを切ることになりました。その門出に際して一言、励ましの言葉を述べさせて下さい。

 皆さんは、最近のニュースで、昨年1年間の日本国内での出生数が80万人を割ったと聞いたことがあると思います。出生数が一番多かったのは、高度成長期の終わり頃、1973年の209万人ですから、昨年の出生数はその約38%ということになります(ちなみに、現在18歳の人が生まれた2005年の出生数は106万人、現在22歳の人が生まれた2001年の出生数は117万人です)。人口減少、少子高齢化の影響としては、経済規模の縮小、労働力不足、国際競争力の低下、社会保障制度のバランスの崩壊など、深刻な課題がいくつも挙げられています。そのような状況を打開するために、未来を支える人材の育成が急務であるとして、令和3年(2021年)の末に、内閣総理大臣を議長とする「教育未来創造会議」が設置されました。この「未来を支える人材」とはもちろん皆さんのことです。そして、昨年の5月に「教育未来創造会議」の第1次提言が公表され、その中で、未来を支える人材像が具体的に示されました。その内容を紹介しますと、まず、好きなことを追究して高い専門性や技術力を身に付け、自分自身で課題を設定して、考えを深く掘り下げられる人材であり、そして、多様な人とコミュニケーションをとりながら、新たな価値やビジョンを創造し、社会課題の解決を図っていく人材とされています。これは、第6期科学技術・イノベーション基本計画の中で述べられている「総合知」と基本的に一致しています。内閣府の資料によれば、「総合知」とは、「多様な『知』が集い、新たな価値を創出する『知の活力』を生むこと」と説明されています。つまり、いろんな専門家が集まってチームを組み、協力し合って課題を解決することが「総合知」につながるということです。

 もちろん、皆さん全員が揃ってこの「総合知」の獲得を目指す必要はありませんが、大学で学ぶ皆さんは「総合知」の一翼を担う人材として、先ほど述べた人材像の一部分を皆さんの行動目標としても良いのではないでしょうか。すなわち、

・好きなことを追究する

・自分で課題を見つける

・いろんな人とコミュニケーションをとる

の3つです。簡単なようで、意外と難しいことかも知れません。しかし、皆さんが自律的に大学内外での学修に取り組むことで実現できると思います。コロナ禍の終わりが見えてきて、入学・進学という新しいスタートを切ることを契機として、積極的な行動を開始しましょう。大学としても、昨年策定した本学の中長期ビジョン「ビジョン2040」で、このような資質を備えた人材の育成を視野に入れた様々な改革に取り組むことを計画しています。その実現に向けた努力の一環として、皆さんを力強くサポートしていきたいと考えています。

 今日から皆さんはそれぞれの専門分野で、様々な知識と技術、素養を身に付けていくことになります。その中で是非、「好きなこと」を見つけて下さい。そして、解決したいと思う難しい課題を見つけたら、気の合う友人だけではなく、専門分野、国籍、ジェンダーを超えて、同じ志を持つ様々な人たちとコミュニケーションをとって下さい。そのような行動の積み重ねが、「未来を支える人材」につながる道の始まりだと思います。皆さんは期待されているということを忘れないで下さい。後ほど、皆さんには本学の校歌を聞いてもらいます。皆さんの先輩にあたる星野哲郎さんが、後輩たちへの期待を込めて作詞されたものです。力が漲ってくる歌詞が続きますが、最後の部分では、「好きなことを好きなだけ学べる」大学生活は直ぐに過ぎ去ってしまうと繰り返し歌われています。じっくりと聞きながら、今日から始まる新しい学生生活を、そして大学での学びを通して成長した数年後の自分を思い描いて下さい。

 最後に、昨年4月から成年年齢が18歳になりました。したがって、ここにいる皆さんは既に成年年齢に達した大人です。しかし、法律上の大人になったとは言っても、まだまだ成長の途上にあります。むしろ、これからの成長が皆さんの人生にとって重要になってきます。是非、本学で多くのことを学び、新たな価値やビジョンを創造し、社会課題の解決にチャレンジして下さい。

令和547

東京海洋大学長 井関俊夫


祝    辞

 

 難関を突破され、今日の良き日を迎えられた皆様、ご入学おめでとうございます。小野寺五典写真データ.JPG

 日本は、海に囲まれた海洋国家であり、EEZを含めた領域は世界で上位の大国です。その領域は、海洋・水産資源に加えて、海底にはメタンハイドレードやマンガン鉱等鉱物資源の宝庫であり、世界中がそれら資源に注目し様々な取組みが行われ、その将来性は計り知れないものがあります。海との関わりは切っても切れない関係にあり、海洋、海事、水産について学ぶことが出来る日本で唯一の海洋系大学である東京海洋大学で学ばれる知識と経験は、あらたな地平を開くことにつながるものです。

 コロナ過を契機に、世界中のあらゆる国において日常生活や産業構造のあり方の見直し等、歴史的な大変革が迫られております。ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻は、全世界に大きな影響を与え、あらゆる面においては不安が広がり、激動の時代を迎えております。

 東京海洋大学で学ぶことを誇りに、学生生活の一日一日を大切に、大いに疑問をもち、大いに学び、そして自らの可能性を信じて何事にも果敢にチャレンジし、この激動の時代で活躍する力を得ることをご期待致します。

 結びに、本日ご出席の皆様の今後益々のご健勝とご多幸を心からお祈り申し上げ、お祝いの言葉とさせていただきます。

令和5年4月7日

衆議院議員 小野寺 五典


祝    辞

 ★池田委員.JPG新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。

 2023年春、この良き日を迎えられたことに心よりお喜び申し上げます。今日という新たな門出に期待を膨らませ、東京海洋大学の門をくぐられたことと思います。多感な高校生活や大学生活の3年間をコロナ禍で過ごし、様々な不安と孤独感を乗り越え、見事に難関を突破されたことに心より敬意を表します。また、ご家族ご親族の方々におかれましては、お喜びもひとしおかと拝察いたします。重ねてお祝い申し上げます。是非、新入生の皆さんは、ご家族のサポートに思いを致し、改めて感謝の気持ちを伝えて頂ければと思います。皆さんの心からの感謝の言葉は、ご家族にとって一番嬉しいものであり、何よりの贈り物と思います。

 明治時代から約140年間、日本での成年年齢は20歳と民法で定められていました。若者にも国政の重要な判断に参加してもらうための政策が進められる中、この民法が改正され、202241日から、成年年齢が20歳から18歳に引き下げられました。

 成人になるとはどういう意味か、学校の授業で一度は考える機会があったかと思います。民法では、「人で契約をすることができる年齢」という意味と、「父母の親権に服さなくなる年齢」という意味があり、親の同意を得なくても、自分の意思で様々な契約ができるようになるということが一番大きいことだと思います。皆さんはこれまでの人生の中でも様々な意思表示をされてきたと思いますが、まさに今、この場におられることこそ自分の意志と努力の結晶で成人としての決意を体現し、さらなる目標に向かう一歩を踏もうとしているのではないかと思っております。

 私は海運業界に身を置き40年余り、今は役員を務めています。私が社長時代に当社がチャーターしていた貨物船がモーリシャスというインド洋の島国で座礁、座礁した船に残っていた油でその美しい海を汚してしまいました。本来の責任は船を保有、管理していた船主にあるものですが、当社はチャーターしていた当事者として事故の対応にあたりました。社員を現地に派遣・駐在させ、日本にいてはできない現地の情報収集や支援など精力的に行い、自然環境の回復と保護、地域社会の貢献に努めています。会社組織の知識やノウハウだけではまかないきれない問題を研究者や環境NGOの方々にご協力いただき、今年の7月で事故発生から3年を迎えますが一歩一歩前進しています。私自身も何度か現地に足を運んでいますが、ここでのすべての出会い、文化、研究者の方々からの知見には社会人人生で初めての気づきが多くありました。不幸な事故がきっかけではありますが、多くの貴重な出会いと気づきに恵まれ企業としても一社会人としても成長する機会を与えられたと思います。

 海運業界で働くことは、世界をつなぐ海を舞台に、「船」というフィールドで様々な経験を積み、その経験を生かして、「海」のみならず、「陸」でもグローバルな環境で成長を遂げ、専門的な知識を思う存分発し、新たなことにチャレンジできる環境が整っていることを皆様にお伝えしたいと思います。

 国内唯一の海洋系大学として商船・水産の門戸を開いた皆さんに海は苦手という方はいないことでしょう。日本は島国ですので、古くより海とともに生活し、海を崇め、時には畏れながら暮らしてきました。時代の流れとともに人は知恵をつけ、「教育」そのものが広く普及しました。人々の生活と常に隣り合わせだった「海」のエキスパートの育成と教育陣の維持確保、研究機関の専門性と充実した施設が求められてきました。その結果、生まれた本学、東京海洋大学のモットーは、「海を知り、海を守り、海を利用する」使命を果たすことであり、それを一手に叶え続ける、多くの魅力がキャンパス中に広がっています。

 本学の学部・大学院・水産科学専攻科・乗船実習科・研究生等の総学生数は約2,700名、まさに海のように広がる出会いと、専門分野をより深めることによって新たな思考がこれから皆さんを迎えてくれることでしょう。皆さんには、自らの意思を信じて進む強さと、叶えたい目標に近づくための探求心はもちろんのこと、素晴らしい教育陣、先輩・仲間とのコミュニケーション、異なる分野への興味、気づきを通じて、身近なところに感じる多様性の捉え方もこの学生生活でさらに磨いていただきたいと思います。

 ぜひ、「東京海洋大学らしさ」を存分に謳歌してください。

人生100年時代、充実した学生生活を過ごされ、皆さんの若い発想力や豊かな個性を元にアイデアを臆せず提言し、新たな価値を生み出されることを大いに期待しています。

改めましてご入学おめでとうございます。

令和5年4月7日

経営協議会委員 池田 潤一郎


さかなクンお祝いメッセージ

さかなクンイラスト.jpg

さかなクンからお祝いのイラストをいただきました!

icon-sakana.png さかなクンお祝いメッセージ動画はこちらicon-sakana.png


 


上記の他にも、関係企業・機関の皆様から祝電など様々な形でご祝意をいただいております。

この場を借りて、厚く御礼を申し上げます。

東京海洋大学

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