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令和8年度4月期 入学される皆様へ(学長式辞・来賓祝辞)
令和8年度4月期 東京海洋大学入学式における学長式辞
(学部・海洋科学専攻科・乗船実習科・大学院)
海洋生命科学部、海洋工学部および海洋資源環境学部に入学された皆さん、また、実習航海中あるいは出港準備中で欠席の乗船実習科進学の皆さん、そして海洋科学専攻科ならびに大学院海洋科学技術研究科に進学された皆さん、本日は誠におめでとうございます。
また、本日、ご多忙にもかかわらず、ご臨席を賜りました衆議院議員 小野寺五典様、一般社団法人 楽水会 会長 松本 和明 様、一般社団法人 海洋会 会長 関根 博 様には厚く御礼申し上げます。
さて、新入生・進学生の皆さんは、本日、東京海洋大学の学生として新たな学びのスタートをきることになりました。充実したキャンパスライフを送るために、一日も早く本学での生活に慣れて欲しいと思います。
本学では、「海を知り、海を守り、海を利用する」をモットーとして、独創的かつ実学重視の教育 カリキュラムを提供しています。学内の実験施設や、5つのステーション、そして3隻の大型練習船で行われる各種実習では、実物を手で触って、自分の目で確かめ、自ら考えながら課題に取り組むことができます。そして、教室で学んだ学術的概念や理論と、体を動かして学んだことが頭の中で融合し、体系的に整理された確固たる知識として皆さんの体に蓄積されていきます。すると、もっと知りたい、もっと理解したいという 知的好奇心が湧き上がってきますので、自分の専門だけに留まらず、積極的に多くのことを学んで欲しいと思います。
さて、海は全世界をつないでいますので、地球温暖化による海面水温上昇などのように、海洋に関する多くの問題は 地球規模で人々の生活に影響を及ぼします。そのような問題を解決するためには、国境や国籍、人種やジェンダーの壁を超えて、多くの人々が協調し合うことが重要です。そのような素養を身につけた人々はグローバル人材と呼ばれます。本学では、学部や専攻の専門教育に加え、グローバル人材の育成にも力を入れています。「OQEANOUS Plus プログラム」では、日中韓の海洋系3大学及びASEAN諸国のトップレベル4大学との教育交流を行っており、「METISプログラム」では、ノルウェーやデンマークの6大学との間で、海洋産業の生産性向上と活性化、そして海洋を巡る地球規模の諸課題の解決に向け、グローバルに活躍する 高度専門技術者の育成に取り組んでいます。
このような国際的な教育プログラムへの参加を容易にするために、本学では、令和6年度から4学期制105分授業を導入しています。4学期制の下では、ギャップタームと呼ばれる必修科目の少ない学期を設定することが可能となり、以前よりも長くなった夏季休業期間を使って、海外留学やインターンシップなど、学外における 長期間の学修機会を得ることができます。将来、地球全体を舞台として 活躍したいと考えている人は、在学中から積極的に世界に飛び出し、国内では得られない貴重な経験を積んで欲しいと思います。
また、本学ではデータサイエンス・AI教育にも力を入れています。令和5年度に文部科学省の「数理・データサイエンス・AI教育プログラム 認定制度」の「リテラシーレベル」、令和7年度には「応用・基礎レベル」の認定を受けました。さらに、海洋産業AIプロフェッショナルとなるための「海洋AI・データサイエンス学位プログラム」を令和6年度から開始しています。人口減少が確実となっている日本では、数理・データサイエンスやAI技術を使いこなし、多様な価値を創造する人材が必要とされています。コンピュータが好きな人はもちろん、プログラミングに馴染みの少ない人も、自分の専門領域に幅を持たせるという意味合いと、社会に出てからの強みを一つ増やすという意味合いから、積極的に履修することをお勧めします。
一方で、ベンチャー企業やスタートアップ企業に興味のある学生を対象として、アントレプレナーシップ科目が学部と大学院で開講されています。アントレプレナーシップとは 起業家精神と訳されていますが、新しい会社を設立するということだけではなく、既存の企業においても新規事業の立ち上げに必要とされる素養のことも意味しています。アントレプレナーとしての素養を身に付けることは、皆さんが勉強や研究に取り組むうえでプラスに働くと思っています。なぜなら、大学で生み出される研究成果は、論文としての学会発表だけではなく、その研究成果を私たちの生活に応用したり、展開したり、すなわち「社会実装」されることによって、日々の生活を快適にし、多くの人々を幸福にすることができるからです。別の言い方をすれば、これからの学生生活において、皆さんが「社会実装」というキーワードを意識して勉強や研究に取り組めば、人々の豊かな未来を創造することにつながって行きます。興味のある人は是非、アントレプレナーシップ科目を履修してみて下さい。
最後に、皆さんに この機会に是非 覚えて欲しい情報を伝えます。本学には楽水会と海洋会という二つの同窓会組織があります。在学生に対してのセミナー開催や海外留学支援などの他、進路や就職の相談にも乗ってくれます。今年、創立23周年を迎える東京海洋大学と、その前身である東京水産大学や東京商船大学を卒業した数多くの先輩たちが、皆さんの学生生活を 実り多いものにするために、いつでも手を差し伸べてくれます。それぞれの事務局はキャンパス内に在りますので、是非、楽水会や海洋会にコンタクトして、海洋大ネットワークの一員となることをお勧めします。
以上、述べて来ましたように、東京海洋大学では多種多様なことを学ぶことができます。今日から始まる本学での学びを通して、皆さんには、成長した未来の自分を思い描きつつ、新しい学生生活を思う存分楽しんで欲しいと思います。
令和8年4月7日
東京海洋大学長 井関俊夫
祝 辞
ご入学おめでとうございます。
東京海洋大学は、様々な分野に人材を輩出しておりますが、政治の分野でも、鈴木善幸元内閣総理大臣はじめ、国会議員、地方議会、首長など、多くの人材を輩出しております。
今日、この場に立つにあたって、私の今まで歩んできた人生の中で一番の転換期は東京海洋大学を選び入学したことです。
これから皆さんが専門とする海洋分野は、人類、 日本、そしてこれから私たちが目指す多くのヒントを持つ大切な分野ということになります。地球環境の多く、温暖化も含めて一番大きな役割を担うのは、実は海洋です。海洋で温暖化が進むと地球温暖化が進み、海洋の変化によって海洋資源が大きく変わり、気象も大きく変わります。海を知ることによって環境を知ることができます。
また、今、世界中の人類人口が増え続けています。食料資源をめぐって各国が争う事態になっています。日本が先進的な役割を担ってきた海洋生物資源、食料資源の養殖文化は世界へと広がりました。そして今、世界の人たちが海洋の生物資源を競って利用しようとしています。資源管理や増養殖は大変重要な分野です。そこを担うのも皆さんであるといえます。
今、中東ではホルムズ海峡をめぐって緊張が高まっております。日本はこれまで石油をはじめ、資源を海外に頼る国でありました。ですが、海を見渡すと、日本の領海内には様々な貴重な鉱物資源、天然資源があります。最近は「レアアース」という言葉がよく聞かれるようになりました。様々なものの生産において、レアアース、レアメタルは大変重要です。日本の陸地ではほとんど取れないですが、日本の領海である南鳥島近海では、世界最大のレアアースあるいは鉱物資源があると言われています。これを開発するのも実は海を担う技術者の仕事ということになります。
おそらく皆さんが社会現場で活躍する時代には、これらの資源の活用、それが現実のものとなってまいります。本当にいい分野を皆さんは選んだと思います。これからこの大学でしっかり研鑽を積んでいただいて、それぞれの分野で、日本だけではなく、世界のために活躍していただきたいと思います。
令和8年4月7日
衆議院議員 小野寺 五典
祝 辞
入学生・進学生の皆さん、ご入学・ご進学おめでとうございます。
来賓を代表して祝辞を述べさせていただきます。私は本学の同窓会である一般社団法人楽水会の第九代会長の松本和明と申します。
本日この素晴らしい日を学生の皆さんはもとより、保護者の皆様、ご来賓の皆様、教職員の皆様とご一緒にお祝いできますことを大変嬉しく思っております。
2003年に誕生した、東京海洋大学は前身の東京商船大学と東京水産大学を合わせると、今日までの百五十年余りの歴史の中で四万五千名に近い有為の人材を産官学に輩出し、社会に大きな貢献をしてまいりました。
これもひとえに、「海洋分野において国際的に活躍する産官学のリーダーを輩出する世界最高水準の卓越した大学」という大学像のもと、教職員の皆様が教育と研究に力を注がれ、学生の皆さんが真摯に勉学に取り組まれたおかげであります。本日、入学・進学された学部・大学院・専攻科の皆さんは、東京海洋大学が掲げる大学像のもとで行われる研究と教育に学び、これからの社会に大いに貢献していただきたいと思います。
さて現在、地球の温暖化による世界規模の気候変動は陸域・海域を問わず、今までに人類が経験したことのない様々な変化を引き起こしています。日本の近海においても大衆魚と言われる魚の漁獲が不安定で、食資源確保が今まで以上に問題視されています。そのため養殖業の成長産業化による水産物の安定供給の確保への期待が高まっています。また、温暖化の原因と言われている二酸化炭素の排出量削減では、日本政府が2050年に温室効果ガスの排出を全体で0にする、いわゆるカーボンニュートラルを宣言しています。そのため、産業界では洋上風力による発電などの再生可能エネルギーの利用や、産業の安全保障の面から、レアーアースなどの海底鉱物資源の採掘といった新たな海洋の利用が具体的に動き始めています。
本日、入学・進学された皆さんは、これから海洋に関する様々な勉強をされるわけですが、「海を知り、海を守り、海を利用する」をモットーとする東京海洋大学に学び、海洋の未来を切り拓く逞しい人材となって海で起きている様々な問題の解決に力を発揮していただきたいと思います。社会は皆さんに期待して、活躍の場を用意して待っています。ぜひ頑張っていただきたいと思います。
結びになりますが、入学・進学を祝い、皆さんが多くのことを学び、充実した学生生活を送られることを祈念し、来賓を代表しての私の祝辞といたします。
令和8年4月7日
楽水会会長 松本和明
祝 辞
一般社団法人 海洋会会長の関根です。同窓会を代表して一言お祝いのご挨拶を申し上げます。

新入生の皆様、入学おめでとうございます。また新入生のご家族ならびに関係者の皆様には心よりお祝い申し上げます。
私は約50年前、この講堂で皆さんと同じように入学式を迎えました。受験勉強を乗り越え、この場に立つことができたという喜びは、今でも鮮明に覚えています。きっと皆さんも同じ気持ちではないでしょうか。一方、高校とは違う大学という未知の世界に入り、何を学び、またどのような生活をするのであろうかという、小さな不安もありました。
皆さんのこれからの大学生活は、まさに「未知との遭遇」でしょう。では実際に大学では、皆さんはこれからの4年間、何を学び、どのように成長していくのでしょうか。私は、大学での学びは、つぎの3つの柱から成ると考えています。
一番目は、専門性の習熟です。皆さんは、自ら学部や学科を選びましたが、そこでは、高度で専門性の高い多くの講義や実習が用意されています。私の経験からいうと、初めて触れる学問に戸惑いながらも、その内容は非常に興味深いものであり、毎日ワクワクして講義に出たのを覚えています。どうか皆さんも、未知の学問に果敢に挑み、専門性を磨き上げてください。
二番目は、リベラル・アーツ (Liberal Arts) の滋養です。リベラル・アーツは、我が国では、「一般教養」や「教養教育」と訳されています。本学では、人文科学、自然科学、社会科学などに関する、多くの科目があります。例えば、心理学、社会学、天文学、経済学、法学等で、これらにより、幅広い分野の知識を得て、論理的かつ柔軟な思考方法を学びます。皆さんにとっては、今まで知らなかった分野であり、きっと新しい世界が広がるでしょう。これらは予期せぬ事態や困難に遭遇した時に、的確に対応していく力を養います。皆さんがいわゆる教養人となるための学問であり、これ無くして大学教育とは言えません。是非積極的に履修してください。
そして三番目は、キャンパスライフからの学び、です。講義から情報を得るだけでなく、キャンパスライフの中で、自分なりの思考や判断基準を習得するというものです。例えば友人たちや先生方との交流があります。育った場所や環境、価値観の違う人との交流は、他人に対する理解や寛容を学ぶとともに、皆さんの世界観を広げます。また実習や部活、文化祭など多くの課外活動において、同級生以外の人たちとの交流もあります。これらを通して、グローバル社会での対応力や、人生を豊かに生きるヒントを得られるかもしれません。
このように、大学は専門性を深めるアカデミアであると同時に、皆さんの人格を醸成するための場でもあります。しかし、ここで忘れてはいけません。この3つのフィールドも、皆さんが積極的に参加することが大前提となります。今日からの4年間は、実は人生の中で非常に短い期間です。だからこそ、この与えられた、あるいは勝ち取ったこの短い期間を、是非積極的に活用し、最高のキャンパスライフを自身で作ってください。
ここで一つ、皆さんに東京海洋大学の小さな秘密をお伝えします。実は秘密ではないのですが。本学は、全国の国立大学の中で、トップクラスの就職率を誇っています。これは何を意味しているのでしょうか。これは社会が東京海洋大学を評価し、その卒業生あるいは、皆さんに期待を寄せている証であります。このような環境で学べることを誇りに思い、大学生活を大いにエンジョイしてください。
最後になりますが、これまで皆さんを育み、支えてくれたご家族や関係者に改めて感謝する、心豊かな人間に成長して頂きたいと思います。
改めまして、皆さんが健康で充実した大学生活をおくられることを心から祈念致します。本日は誠におめでとうございます。
令和8年4月7日
海洋会会長 関根 博
上記の他にも、関係企業・機関の皆様から祝電など様々な形でご祝意をいただいております。
この場を借りて、厚く御礼を申し上げます。
東京海洋大学


