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科学技術振興機構(JST)日ASEAN科学技術・イノベーション協働連携事業(NEXUS)日本-タイ「バイオテクノロジー」研究領域に、本学申請課題「エビ養殖のバイオサーベイランスを実現する、優良細菌叢の設計図構築」(研究代表者:学術研究院廣野育生教授)が採択されました
本学では、これまでにタイをはじめとするASEAN諸国との間で、水産・生物分野における国際共同研究や多様な人材交流事業の実施を通じて、強固な協力関係を築いてきました。これらを基盤として、本課題では、海洋生物資源学部門の廣野育生教授が日本側研究代表者を務め、近藤秀裕教授(バイオインフォマティクス・微生物叢解析担当)、小祝敬一郎准教授(1細胞解析担当・水圏生物生産工学研究所)らによる研究体制のもと、タイのチュラロンコン大学(相手国研究代表者:Kunlaya Somboonwiwat教授)と共同で、2026年7月からの3年間にわたり研究を推進します。
タイの国家経済を支える巨大産業であるエビ養殖ですが、池ごとの生産の不安定性(当たり外れ)が深刻な課題となっています。本研究は、現地で伝統的な経験則となっている「水づくり(水質や有益な微生物生態系の育成・管理)」を、データ駆動型の科学へと変革し、この課題を解消することを目指すものです。
具体的には、タイ側が現地の商業養殖池から収集する環境サンプルをもとに、日本側が次世代シーケンサーを用いた高度なゲノム解析(ショットガンメタゲノム解析、微小液滴技術を用いた1細胞ゲノム解析、16SrRNA細菌叢解析)を主導し、高い生産性をもたらす「コア微生物群集」の特定と生態系機能モデルの構築を行います。さらに、微生物群集を複雑な生態系バランスを維持したまま丸ごと凍結保存・再活性化させる革新的な技術を開発し、実養殖池での実証試験や、現地で使われている既存のプロバイオティクス技術の検証・統合を進めます。
また、本事業では「研究人材育成」を中核に据え、生命科学(ウェット)・情報科学(ドライ)・工学(ハード)の3分野のスキルを横断的に融合した新世代の「水産バイオ技術者」を創出します。タイの若手研究者を本学の博士課程学生として長期受け入れ、本学の「海洋産業AIプロフェッショナル育成卓越大学院プログラム」や国際連携「OQEANOUSPlusプログラム」と連携した集中トレーニングを行うとともに、日本側学生のタイ派遣(1〜3ヶ月)を通じた双方向交流を推進します。プロジェクト終了時には修了生を中心とする公式同窓会ネットワークの設立を目指し、将来にわたり両国を結ぶ自律的かつ永続的な国際共同研究拠点の土台を確立します。
本学は、本課題の実施を通じて、健康な微生物環境の育成による抗生物質の使用削減や環境負荷の低減、タイの国家戦略であるBCG(Bio-Circular-Green)経済モデルへの貢献、そして日タイ・ASEAN地域における水産業の持続的発展と新たなバイオ産業の創出に寄与していきます。
<関連リンク>
科学技術振興機構(JST)「日ASEAN科学技術・イノベーション協働連携事業(NEXUS)」
https://www.jst.go.jp/pr/info/info1835/index.html
https://www.jst.go.jp/aspire/nexus/pdf/nexus_grantno.pdf


