国立大学法人 東京海洋大学

品川・越中島キャンパス大学院海洋科学技術研究科

大学院海洋科学技術研究科は、博士前期課程と博士後期課程の区分制博士課程とし、先端領域を切り拓く自立した高度専門職業人等を養成します。さらに、国立研究開発法人水産研究・教育機構、国立研究開発法人海洋研究開発機構、国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所と連携して、教育研究の一層の充実と大学院生の資質向上を図っています。

【受賞・表彰】下地宥杜さん(修士1年)と諸井春哉さん(修士1年)が、2026年度日本水産工学会学術講演会において学生優秀賞を受賞しました。

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2026620日~21日に静岡県伊東市の伊東市観光会館で開催された2026年度日本水産工学会学術講演会において、本学大学院生の下地宥杜さんと諸井春哉さんが学生優秀賞を受賞しました。

【受賞者】
下地 宥杜(大学院海洋科学技術研究科 博士前期課程1年 海洋生命資源科学専攻)
諸井 春哉(大学院海洋科学技術研究科 博士前期課程1年 海洋生命資源科学専攻)

【受賞研究のタイトル】
下地 宥杜:浮延縄漁具における幹縄上の浮縄および枝縄装着点の振動とその要因について
     (著者:下地宥杜・塩出大輔・董書闖)
諸井 春哉:浮沈制御ユニットの配置が一様流下の生簀挙動に与える影響の実験解析
     (著者:諸井春哉・小田楓・陳達傑・塩出大輔・董書闖)

【受賞研究の内容】
下地 宥杜
 浮延縄漁具において、波浪による浮子の上下動が浮縄、幹縄、枝縄を介して伝わるなどして釣針は水中で振動しており、この振動によって餌が損傷して脱落する現象が確認されている。商業用漁具における漁獲効率の低下や、調査用漁具における釣獲結果の誤評価につながる本現象の発生機構の解明を主目的として、本研究では、本学練習船・神鷹丸(986t)による浮延縄試験操業で得られた漁具各部の深度変化と、操業海域の有義波高、有義波周期の関係を分析した。その結果、漁具各部は浸漬中に5~8秒の周期を持った振動を繰り返しており、この振動周期は操業海域の有義波周期との間に有意な相関があることを示した。また、相互相関分析の結果からこの振動は浮子から浮縄、幹縄へと伝わる過程で減衰すること、中立ブイはこの振動の伝達を抑制する可能性があること等を示し、本現象の解明に対する重要な知見を提示した。

諸井 春哉
 沖合養殖において、荒天時の波浪や海水温上昇に対応可能な浮沈生簀は、浮沈制御時の傾きに伴う容積減少や枠体の破損が課題である。そこで本研究では、既存のあらゆる生簀にも取り付け可能で、波浪への安定性に優れたスパー型(鉛直型)ユニット配置を試み、従来の水平型配置との比較実験を行った。一様流下における模型実験の結果、低流速時では沈下後の傾斜角が約0°へ収束したのに対し、高流速時では傾きが生じたままであった。また、流速の増加に伴い到達深度は浅くなり、流速20 cm/sでは静水時と比べ水平型で39%、鉛直型で31%浅くなった。さらに、常時沈下状態で流速を20 cm/sまで上げると静水時より33%浮上し、実運用における急潮などの速い流れによる急浮上リスクが示唆された。今後は鉛直型が本来の性能を発揮する波浪下での安定性を検証するとともに、急浮上を抑制する運用手法および制御技術の確立を試みる。

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左から)下地さん、諸井さん

<関連リンク>
日本水産工学会HP

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