国立大学法人 東京海洋大学

品川・越中島キャンパス大学院海洋科学技術研究科

大学院海洋科学技術研究科は、博士前期課程と博士後期課程の区分制博士課程とし、先端領域を切り拓く自立した高度専門職業人等を養成します。さらに、国立研究開発法人水産研究・教育機構、国立研究開発法人海洋研究開発機構、国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所と連携して、教育研究の一層の充実と大学院生の資質向上を図っています。

【受賞・表彰】大前直樹さん(修士1年)が、第63回日本油化学会年会において学生奨励賞(JOCS Student's Award)を受賞しました。

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2025年9月3日~5日に長野県・長野市で開催された、第63回日本油化学会年会において、本学大学院学生の大前直樹さんが学生奨励賞(JOCS Student's Award)を受賞しました。

【受賞者】
大前 直樹(大学院海洋科学技術研究科 博士前期課程1年 食機能保全科学専攻)

【受賞研究のタイトル】
脂質二次酸化生成物の体燃焼性に関する研究

【受賞研究の内容】
 脂質の酸化は食品の匂いや風味に悪影響を与えたり、場合によっては食中毒の原因となることがあります。この原因物質は、脂質が酸化分解した際に生成する二次酸化生成物と呼ばれるもので、アルデヒド、ケトン、アルコール、炭化水素などで構成されています。しかし、実際に二次酸化生成物を摂取してしまった場合、それらは体内で利用可能か否かに関する知見はありませんでした。そこで本研究では、最初に安定同位体でラベル化したアルデヒド、ケトン、アルコール、炭化水素を有機合成しました。その後、これらをマウスへ投与し、呼気中に出現する安定同位体ラベル化二酸化炭素を指標として、二次酸化生成物の体燃焼性を評価しました。結果、ケトンおよびアルコールは中鎖脂肪酸と同様に速やかに体燃焼されること、一方、アルデヒドおよび炭化水素はそれらよりもやや体燃焼性が劣ることがわかりました。これらの結果より、脂質が酸化分解されて生成する二次酸化生成物も生体はエネルギーとして利用可能なことを明らかにしました。

大前直樹 賞状.pdf.jpg

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大前さん

<関連リンク>
第63回日本油化学会年会

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