品川・越中島キャンパス
大学院海洋科学技術研究科
大学院海洋科学技術研究科は、博士前期課程と博士後期課程の区分制博士課程とし、先端領域を切り拓く自立した高度専門職業人等を養成します。さらに、国立研究開発法人水産研究・教育機構、国立研究開発法人海洋研究開発機構、国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所と連携して、教育研究の一層の充実と大学院生の資質向上を図っています。
【受賞・表彰】吉野友晃さん(博士2年)が、12th Symposium on Diseases in Asian Aquaculture(DAA12, 第12回アジア魚病学会)においてBest Poster Presentationを受賞しました。
2025年9月23日~27日にインド・チェンナイで開催された、12th Symposium on Diseases in Asian Aquaculture(DAA12, 第12回アジア魚病学会)において、本学大学院生の吉野友晃さんがBest Poster Presentationを受賞しました。
【受賞者】
吉野 友晃(大学院海洋科学技術研究科 博士後期課程2年 応用生命科学専攻/国立研究開発法人 水産研究・教育機構 水産技術研究所 養殖部門 病理部 免疫グループ 研究員)
【受賞研究のタイトル】
First report of Lactococcus petauri infection in marine fish species in Japan and its pathogenicity in Striped Jack and Thread-sail Filefish
(日本の海水魚におけるLactococcus petauri感染症の初報告およびシマアジとカワハギに対する病原性)
【受賞研究の内容】
国内の養殖業において最も被害額が大きいα溶血性レンサ球菌症は、複数種の細菌を原因とする感染症の総称です。本研究では、α溶血性レンサ球菌症の原因菌種を魚種ごとに調査し、従来知られていた原因菌に加えて、わが国ではこれまで報告のなかったLactococcus petauriという細菌も流行していることを初めて明らかにしました。さらに、本種を対象とした血清学的性状解析や生化学的性状解析により、その細菌学的特徴を明らかにしました。また、感染試験によりシマアジとカワハギに対する病原性を確認しました。L. petauriによる感染症は、過去数年間において世界中で発生が報告されており、主に淡水におけるニジマスやティラピア養殖で深刻な魚病被害をもたらしています。これらの成果は、海水養殖においても本菌が流行していることを初めて明らかにしたものであり、αレンサ球菌症の対策に大きく寄与すると認められ、今回の受賞に至りました。


