品川・越中島キャンパス
大学院海洋科学技術研究科
大学院海洋科学技術研究科は、博士前期課程と博士後期課程の区分制博士課程とし、先端領域を切り拓く自立した高度専門職業人等を養成します。さらに、国立研究開発法人水産研究・教育機構、国立研究開発法人海洋研究開発機構、国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所と連携して、教育研究の一層の充実と大学院生の資質向上を図っています。
【受賞・表彰】北川蒼雪さん(修士2年)が、2026生態工学会年次大会において優秀講演賞を受賞しました。
2026年6月27日から28日にかけてライトキューブ宇都宮で開催された、2026生態工学会年次大会にて、本学大学院生の北川蒼雪さんが優秀講演賞を受賞しました。
【受賞者】
北川 蒼雪(大学院海洋科学技術研究科 博士前期課程 海洋生命資源科学専攻 2年)
【受賞研究のタイトル】
ヤイトハタEpinephelus malabaricus飼育廃水培地へのNaHCO₃の添加およびpH調整がスピルリナArthrospira platensisの培養に与える影響に関する研究
(共著者: 北川蒼雪, 栗原(松井)紋子, 遠藤雅人(東京海洋大学), 島袋亮道, 宇田川伸吾, 竹村明洋(琉球大学))
【受賞研究の内容】
海水魚の魚類養殖では環境中に排出される物質と餌に含まれる魚粉の削減が求められており、微細藻類のスピルリナを海産魚の飼育廃水で培養し、それを魚粉の代替タンパク質飼料原料として用いる物質循環型養殖について研究が行われています。
本研究では、海産養殖対象魚種であるヤイトハタEpinephelus malabaricusの飼育廃水を用いたArthrospira platensisの効率的な培養技術の確立を目的としてヤイトハタ飼育廃水への炭酸水素ナトリウムの添加効果並びにpH調整の効果について検討を行いました。
その結果、ヤイトハタ飼育廃水に不足元素を添加した培地において3g/L以上の炭酸水素ナトリウムの添加によって安定した増殖が得られること、pH8前後で制御すると無調整やpH9、pH10で制御した試験区と比較し、増殖率は低下しますが、高濃度に窒素やリンを含むスピルリナを生産できることが分かりました。また、元素組成分析と溶解沈殿平衡ソフトによる解析から、増殖阻害要因が飼育水中に多量に含まれるカルシウムやマグネシウムであることも推定できました。このことから、養殖廃水を用いたスピルリナ培養を効率よく行うためには、培地に含まれる元素濃度とその溶解制御が重要であることが示されました。
本研究成果は、海産魚が排泄した水質汚濁物質を、餌の原料となる微細藻類の増殖に利用し、飼育廃水中から除去する物質循環技術の発展に大きく寄与する知見であり、審査員から高く評価されました。
<関連リンク>
生態工学会


