国立大学法人 東京海洋大学

品川・越中島キャンパス大学院海洋科学技術研究科

大学院海洋科学技術研究科は、博士前期課程と博士後期課程の区分制博士課程とし、先端領域を切り拓く自立した高度専門職業人等を養成します。さらに、国立研究開発法人水産研究・教育機構、国立研究開発法人海洋研究開発機構、国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所と連携して、教育研究の一層の充実と大学院生の資質向上を図っています。

【受賞・表彰】山田大耀さん(修士1年)が、2025生態工学会年次大会において優秀講演賞を受賞しました。

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2025年74日から5日にかけて柏の葉カンファレンスセンターにて開催された、2025生態工学会年次大会にて、本学大学院生の山田大耀さんが優秀講演賞を受賞しました。

【受賞者】
山田 大耀(大学院海洋科学技術研究科 博士前期課程1年 海洋生命資源科学専攻)

【受賞研究のタイトル】
ヤイトハタEpinephelus malabaricus 用スピルリナArthrospira platensis 含有配合飼料の開発に関する基礎的研究

(共著者:山田大耀、栗原(松井)紋子、遠藤雅人(東京海洋大学)、島袋亮道、平塚悠治、宇田川伸吾、竹村明洋(琉球大学))

【受賞研究の内容】
 海水魚の魚類養殖では環境中に排出される物質と餌に含まれる魚粉の削減が求められており、微細藻類のスピルリナを海産魚の飼育廃水で培養し、それを魚粉の代替タンパク質飼料原料として用いる物質循環型養殖について研究を行っています。

 本研究では、海産養殖対象魚種であるヤイトハタEpinephelus malabaricus用スピルリナArthrospira platensis 含有配合飼料の開発を目的として異なる魚粉代替割合で試験飼料を作製し、給餌試験を行いました。

 その結果、魚粉をスピルリナ粉末で25%もしくは50%代替した餌で魚粉よりも高い成長率を示しました。75%代替した試験区では3つのうち、1つの水槽で摂餌不良が起きたことから摂餌誘引物質の添加等により摂餌率の改善が必要であることも分かりました。また、タンパク質における消化吸収率はどの試験区も90%以上と高い値を示しました。このことから、現状、スピルリナ粉末で50%までの魚粉代替が可能であることが示唆されました。

 本研究成果は微細藻類による海産魚配合飼料の魚粉代替の可能性を示し、物質循環型養殖における発展性に寄与する新たな知見であり、審査員から高く評価されました。

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山田大耀さん(写真右)

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