国立大学法人 東京海洋大学

海洋工学部流通情報工学科

工学系(流通工学)・社会科学系(流通経営学)・情報系(数理情報)の3つのカリキュラムを融合させ、幅広い知識を習得し、ロジスティクスについて体系的に学びます。

ABOUT流通情報工学科について

企業の国際的な物資・情報の流れを計画・管理するロジスティクスについて、少人数体制による理論と実践をともに重視した教育を行っています。カリキュラムは工学系・情報系・社会科学系を融合した大変ユニークな構成で、幅広い知識を習得できます。このため一般の工学部と異なり、女子学生も数多く在籍しています。

CLASS研究領域・コースツリー

INTRODUCTION研究・講義紹介

科目名:データサイエンス
計量経済学の分析手法の学習、R言語を用いた演習、分析に関するグループディスカッションを通して、データサイエンスに関する基礎的な知識と現実の分析課題に取り組むことができる能力を獲得します。

科目名:流通経済論
流通は生産と消費を接合する経済活動の一環本講義は、流通を、商品の流れと共にそこに内在する価値、関連情報および金融決済という4つの次元の流れを体系的な経済現象として捉え、理解を深めます。

RESEARCH研究紹介

最適化アルゴリズム

コンピュータで最適な答えを探す
様々な条件を満たしながら最も良いものを選択する問題は最適化問題と呼ばれます。例えば、トラックで客に荷物を運ぶ問題は配送計画問題と呼ばれ研究されていますが、これはトラックの順路を求める最適化問題です。順路の数は有限個なのでそれら全てを探索すれば最適な答えが見つかりますが、数が多すぎてコンピュータでも全てを探すことはできません。そこで最適な答えを上手に探す計算方法(アルゴリズム)が必要になります。世の中の多くの問題は最適化問題として表現できますが、それらに対して効率的な最適化アルゴリズムを研究しています。
時間枠付き配送計画問題

物流システム工学

地球環境と調和した持続可能な国際物流の実現
海に囲まれた日本にとって、国際物流は生活を支える重要なインフラであり、地球環境への影響は地球全体の問題として考えることが重要です。近年、地理情報システム(GIS: Geographic Information System)を用いることで、位置に関する情報を持ったデータ(地理空間データ)を含む大量のデータ(ビッグデータ)の解析が効率的に行えるようになりました。GIS は地理空間データを総合的に管理・加工し、視覚的に表示し、高度な分析や迅速な判断を可能にします。国際物流における船舶運航に関するビッグデータを用いて、航行中のエネルギー消費に基づいて温室効果ガスの排出量を計算し、GIS を用いて環境影響を評価する研究を 行っています。
船舶からの温室効果ガスの排出量の分布

貨物交通計画

都市圏貨物交通シミュレーション
交通・物流や情報技術の進化、また、経済・社会情勢の変化に伴い、都市における貨物交通の課題は変化を続けています。例えば、人々がオンラインショッピングをより頻繁に利用することによって生じるモノの流れの変化や、宅配の需要に対して、どのような対策が効果的か、評価をする必要があります。本研究では、共同配送、夜間配送、クラウド配送などのスキームや、宅配自転車、宅配ロボット、ドローン等の新しい交通手段を用いた輸送等の影響を評価するために、個人や企業がどのようにモノの流れに関わる意思決定をし、それが交通手段によってどのようにして実現されるかをシミュレートするためのモデルの開発や、施策の影響分析を行います。
シミュレーションの出力例

マーケットデザイン

公平で効率的な分配のための仕組みづくり
医療や教育などの一部の大変重要なモノは、通常のモノと異なりマーケットメカニズムを通じた分配が必ずしも適切とは言えません。例えば、大学教育や保育所のサービスを受けられる人が一部の豊かな人に限られてしまうと、さらに貧富の差が拡大してしまう恐れがあります。また、豊かな人だけが優先的にワクチン接種などができ、命が助かるような仕組みは適切とは言えないでしょう。そのようなモノの分配について、様々な要因を考慮に入れながら議論するのがマーケットデザインとよばれる分野です。
本研究では、特に未就学児の保育所への割当や、入試制度などについて、それぞれのもつ背景を考慮しながら、望ましい仕組を議論していきます。
「保育所への割当の仕組の変更したことによる待機児童数への影響のシミュレーション」Okumura, Y. (2019),School Choice with General Constraints: A Market Design Approach for the Nursery School Waiting List Problem in Japan. Japanese Economic Review 2019 70(4), 497-516より転載

CAREER進路・就職

卒業後の進路

就職先

いすゞ自動車、SBS 東芝ロジスティクス、NTT データ、エバラ食品工業、F-LINE、オカムラ、花王、鹿島建設、キヤノン、キユーソー流通システム、鴻池運輸、国土交通省、国分、コマツ物流、サイバーエージェント、山九、JR 東日本、JR 東日本情報システム、全日本空輸、東京都庁、トヨタ自動車、ダイキン工業、ダイフク、TOTO、ニチレイロジグループ本社、日通NEC ロジスティクス、日本通運、日本パレットレンタル、日本放送協会、ロジスティード、フコク情報システム、富士通、三井住友海上火災保険、三井倉庫サプライチェーンソリューション、三菱商事ロジスティクス、三菱倉庫、三菱電機ロジスティクス、安田倉庫、郵船ロジスティクス、りそなホールディングス 等

就職先業種

令和3 年度卒業者産業別就職状況(%)
※進学等を除く学部卒業者の実績

POLICYポリシー

ディプロマポリシー(卒業認定・学位授与の方針)開く

1.卒業認定・学位授与⽅針

 流通情報⼯学科においては、我が国の⾐⾷住を⽀える物流と、それを⾼度に機能させる情報システム、環境対策も含めたグローバルな経済活動に関する問題に関⼼を持ち、専⾨的知識を含む幅広い教養と豊かな⼈間性とともに、課題の理解と解決に必要な⾼度な技術、国際的にも活躍できる能⼒を⾝に付けた者に学⼠(⼯学)の学位を授与する。

2.学修成果の到達⽬標

(1)幅広い視野・⽂化的素養
 (学修成果)国際交流の基盤となる幅広い視野・能⼒と⽂化的素養を⾝に付けている。
 (到達指標)国際交流の基盤となる幅広い視野・能⼒と⽂化的素養に関する幅広い総合科⽬、専⾨導⼊科⽬を修得していること。
(2)コミュニケーション能⼒
 (学修成果)技術者として必要となる幅広い教養と国際的視野に裏打されたコミュニケーション能⼒を⾝に付けている。
 (到達指標)必要な情報を収集し発信することのできる多様なコミュニケーション能⼒を修得していること。実験、実習、演習のレポート作成、卒業論⽂の作成、卒業論⽂発表において⼗分な評価を得ること。
(3)専⾨的知識・問題解決能⼒
 (学修成果)物流、ロジスティクス等に関する⼯学系、情報系、社会科学系に関する専⾨的な知識を持ち、それらを活⽤して問題解決する能⼒を⾝に付けている。
 (到達指標)基礎から応⽤まで、専⾨導⼊科⽬、専⾨科⽬を体系的に履修し、幅広い専⾨知識を⼗分に修得していること。問題発⾒・解決⼒や創造⼒を育成できる、実験、実習、演習、卒業研究の科⽬を修得していること。
(4)実践的指導⼒・リーダーシップ
 (学修成果)社会のリーダーとして求められる実践的指導⼒、リーダーシップを⾝に付けている。
 (到達指標)集団の中で指導⼒、統率⼒を発揮できる能⼒、リーダーシップを育成できる、実験、実習、演習、卒業研究の科⽬を修得していること。実験、実習、演習のレポート作成、卒業論⽂の作成、卒業論⽂発表において⼗分な評価を得ること。
(5)⾃ら判断・⾏動できる能⼒
 (学修成果)課題に対して進んで取り組み、論理的に考え、的確な判断及び⾏動ができる能⼒を⾝に付けている。
 (到達指標)⾃ら判断し⾏動できる能⼒を育成できる、実験、実習、演習、卒業研究の科⽬を修得していること。

カリキュラムポリシー(教育課程編成・実施の方針)開く

1.教育課程を編成・実施するための⽅針

 流通情報⼯学科では、卒業認定・学位授与⽅針(ディプロマ・ポリシー)に掲げる5つの能⼒を学修するため、⽂化学系、哲学・科学論系、社会科学系、外国語系及び健康・スポーツ系からなる総合科⽬、数学系、物理系、化学系、情報系及び多様な外国語系からなる専⾨導⼊科⽬、専⾨科⽬の学修を体系的に編成する。
・学年を通じて、幅広い教養と豊かな⼈間性と、⾼度な技術、国際的にも活躍できる能⼒を⾝に付けるための学修を実施する。
・特に1年次においては、総合科⽬、専⾨導⼊科⽬を基盤とした学修を実施する。また、⼤学教育にスムーズに⼊れるよう、初年次導⼊教育の学修も実施する。
・特に2年次から3年次においては、専⾨導⼊科⽬を中⼼とした学修から次第に⾼度な専⾨科⽬を中⼼とした学修に移⾏する。
・特に4年次においては、1年次から3年次までに修得した基礎的能⼒を基に、⾃主性、創造性及びプレゼンテーション能⼒を⾝に付け、広い教養と深い専⾨的知識を諸課題に応⽤できるよう、卒業研究指導を実施する。

2.教育の内容、教育の実施⽅法及び評価⽅法に関する⽅針

(1)幅広い視野・⽂化的素養
 (学修内容)国際交流の基盤となる幅広い視野・能⼒と⽂化的素養を⾝に付けさる。
 (学修⽅法)1年次、2年次を中⼼に、幅広い総合科⽬、専⾨導⼊科⽬を学修させる。また、⼤学教育にスムーズに⼊れるよう、初年次導⼊教育を学修させる。
 (学修成果の評価⽅法)科⽬の特性に応じて、試験、レポート及び成果物等により、幅広い知識・⽂化的素養の修得度を客観的に評価する。
(2)コミュニケーション能⼒
 (学修内容)技術者として必要となる幅広い教養と国際的視野に裏打されたコミュニケーション能⼒を⾝に付けさせる。
 (学修⽅法)多様な外国語科⽬、実験、実習、演習のレポート作成、卒業論⽂の作成、卒業論⽂発表を通じて、必要な情報を収集し発信することのできる多様なコミュニケーション能⼒を学修させる。
 (学修成果の評価⽅法)科⽬の特性に応じて、レポート、卒業論⽂発表会等により、コミュニケーション能⼒の修得度を客観的に評価する。
(3)専⾨的知識・問題解決能⼒
 (学修内容)物流、ロジスティクス等に関する⼯学系、情報系、社会科学系に関する専⾨的な知識を持ち、それらを活⽤して問題解決する能⼒を⾝に付けさせる。
 (学修⽅法)基礎から応⽤まで、専⾨導⼊科⽬、専⾨科⽬を体系的に履修し、幅広い専⾨知識を⼗分に学修させる。問題発⾒・解決⼒や創造⼒を育成できる、実験、実習、演習、卒業研究の科⽬を学修させる。
 (学修成果の評価⽅法)科⽬の特性に応じて、試験、レポート及び成果物等により、専⾨的知識・問題解決能⼒の修得度を客観的に評価する。
(4)実践的指導⼒・リーダーシップ
 (学修内容)社会のリーダーとして求められる実践的指導⼒、リーダーシップを⾝に付けさせる。
 (学修⽅法)集団の中で指導⼒、統率⼒を発揮できる能⼒、リーダーシップを育成できる、実験、実習、演習、卒業研究の科⽬論⽂を学修させる。
 (学修成果の評価⽅法)科⽬の特性に応じて、レポート、卒業論⽂発表会、卒業論⽂等により、実践的指導⼒・リーダーシップの修得度を客観的に評価する。
(5)⾃ら判断・⾏動できる能⼒
 (学修内容)課題に対して進んで取り組み、論理的に考え、的確な判断及び⾏動ができる能⼒を⾝に付けさせる。
 (学修⽅法)⾃ら判断し⾏動できる能⼒を育成できる、実験、実習、演習、卒業研究の科⽬を学修させる。
 (学修成果の評価⽅法)科⽬の特性に応じて、レポート、卒業論⽂等により、⾃ら判断・⾏動できる能⼒の修得度を客観的に評価する。

アドミッションポリシー(入学者受入れの方針)開く

1.入学者受入れ方針

流通情報工学科では、日本の衣食住を支える物流、物流を機能させる情報システム、環境対策を含むグローバルな経済活動に関する専門的知識と高度な技術力及び社会貢献力を卒業時までに修得することができる素養を有する人を求める。

2.求める素養・能力

【幅広い視野・文化的素養】

大学での学修を通じて文化的素養を身に付けるために必要な基礎的能力を有していること。また、入学後に総合科目・基礎教育科目の修得を通じ、幅広い視野を身に付け課題に取り組む意欲を有していること。

【コミュニケーション能力】

実験、実習、演習、卒業研究等への取組を通じて、幅広い情報収集や分析を行い、発信できるコミュニケーション能力を身に付ける意欲を有していること。

【専門的知識・問題解決能力】

基礎教育科目、専門科目の履修を通じて、幅広い専門的知識を修得し、それらを活用して課題を発見・理解し、解決することに強い関心があること。

【実践的指導力・リーダーシップ】

実験、実習、演習、卒業研究等への取組を通じて、グローバル社会のリーダーとして求められる実践的指導力を身に付ける意欲を有していること。

【自ら判断・行動できる能力】

自ら課題に対して、論理的に考え、判断し、行動する能力を身に付ける意欲を有していること。

3.入学者選抜の基本方針、評価方法

【入学者選抜の基本方針】

流通情報工学への関心を有し、教育を受けるために必要な水準を満たす者を選抜する。

一般選抜(前期日程・後期日程)

大学入学共通テストでは幅広い分野の基礎的学力を評価する。個別試験の前期日程で数学と英語を、後期日程で英語を課すことにより、数理的な素養や、国際的な活躍のための能力を評価する。

総合型選抜

課題学習能力試験では数学と英語の基礎学力を、小論文では学科の学問領域への関心や論理的思考力を、面接では流通情報工学を学ぶための意欲を評価する。

私費外国人留学生特別入試

日本留学試験では日本語と数学・理科を評価対象とし、個別学力検査では数学と英語を課すことにより、日本語力、数理的な素養、国際的な活躍のための能力を評価する。さらに、面接を実施し、思考力とコミュニケーション能力を評価する。