国立大学法人 東京海洋大学

品川キャンパス海洋資源環境学部

我が国は、持続的発展のため、国土を囲む海に潜在する資源とエネルギーを有効に利用しなければなりません。そのためには、新しい産業を創り育てて行く必要があります。一方、資源やエネルギーの利用に際しては環境の保全に細心の注意が必要であることを、私達はこれまでの経験から学びました。海洋資源環境学部は、二つの学科において、海に関する基礎的 / 総合的理解と海の利用・開発・保全に関する教育・研究に取り組んでいます。

【受賞・表彰】長井 健容准教授が日本海洋学会日高論文賞を受賞しました

海洋資源環境学部 大学で学びたい方 企業・研究者の方

2023年9月24日~28日に京都大学吉田キャンパスにて開催された日本海洋学会秋季大会において、本学の長井健容准教授が、日本海洋学会日高論文賞を受賞しました。

【受賞者】
長井健容(東京海洋大学 学術研究院 海洋環境科学部門 准教授)

【受賞研究のタイトル】
Elevated turbulent and double-diffusive nutrient flux in the Kuroshio over the Izu Ridge and in the Kuroshio Extension

【研究の内容】
黒潮は表層を貧栄養として知られる。一方、光の届かない亜表層では多くの栄養塩を北方の下流域である黒潮続流や黒潮親潮混合水域へ運ぶ栄養塩ストリームである。この亜表層の栄養塩が如何に表層の光が届く深さまで運ばれ、海洋生態系の基盤を成す植物プランクトンに供給されているかは、未だ不明瞭な点が多く残される。長井准教授らは、伊豆海嶺上を流れる黒潮に乱流を測定できる自律型昇降フロートを投入し、伊豆海嶺を流れる黒潮に沿って50-100kmの規模で栄養塩の乱流による拡散供給が活発化していることを示した。また、下流である黒潮続流に黒潮が達すると、北方の低塩低温水と、黒潮が南から運ぶ高温高塩分水が100m程度の鉛直スケールで貫入構造を形成して、活発な二重拡散対流とそれに伴う栄養塩の表層への供給を発生させていることを示した。

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<関連リンク>
日本海洋学会2023年度秋季大会
日本海洋学会HP

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