国立大学法人 東京海洋大学

専門知識と技術を身につけ、
技術者として日本の水中ロボット産業の
発展に貢献したい。

野田 武杜 さん海洋工学部 海事システム工学科4年(当時)

Q1.学科‧学部を選んだ理由は?
船員の育成を目的とした実学的なカリキュラム
高校時代、SNSなどの様々なメディアに触れるようになり、いろいろなことを教えてくれる人たちに囲まれて生活し、自由に進路や職業を選べる立場にある自分は恵まれているなと思うようになりました。そこで、社会に対する恩返しではないですが何か役立つことができればと思い、高校卒業後は海上自衛隊へ入隊しようと考えるようになりました。しかし、祖父に高等教育まで受けるべきだと説得されて大学に行くことにしました。進学先を探しているときは、大学で将来役立つことを学びたいと感じており、特に船舶の運航に関する技術を学びたいという思いがありました。そこで知ったのが本学の海洋工学部で、船員の育成を目的としたカリキュラムに惹かれてこの学部を選びました。

Q2.この学科‧学部に決めて良かった点は?
海事にまつわる幅広い研究がおこなわれている
私が所属している海事システム工学科では船舶の航法や運用、法規に関する座学の他に、本学や海技教育機構が持つ練習船を用いた乗船実習があり、自分の指揮で船舶を動かすなど実践的な経験を通じて船舶について学ぶことができます。こういった、船員の育成や海上法規、造船技術などの幅広い分野に関する研究を行う、本学部ならではのカリキュラムがいいところだと思います。
3年次の後期では船が目標の方角に進むようにする自動制御について学び、その理論を基に大学の練習船を動かす実習がありました。理論と実用の両面から取り組むことでより深い理解につながったと思います。

Q3.あなたの研究テーマは?
自律型水中ロボット(AUV)で自動連続撮影に挑戦
自律型水中ロボット(AUV)の自律航行に関する研究です。AUVというのは外部からの指示を受けずに動く水中ロボットのことです。電波を使った通信が難しい水中において、事前に作業を記憶させて使用します。現在開発しているAUVは水中構造物の撮影を目的としていて、人の手で行うのが難しい連続撮影を自動で行うことに挑戦しています。一般に普及しているケーブルをつないで操作する水中ロボットでは、ケーブルが潮に流されたり突起に引っかかったりしてロボットの動きを制限することがあります。そのため、ケーブルがなくても自分で判断して行動することが出来るAUVの開発に取り組んでいます。実際に水中で動くロボットを作るのはとても大変ですが、やりがいがありとても充実しています。

休日の過ごし方

ボーイスカウト経験を活かして、キャンプへ。
大学生活ではできない経験を。

OFFの日はFPSやシミュレーション系、ものづくり系のゲームをしていることが多いです。他にも、幼いころからボーイスカウトをやっていて、今でも仲間と一緒にキャンプやハイクなどに行くこともあります。中学、高校の頃は部活に入らずボーイスカウトで毎月のようにキャンプやハイクをしていました。自分で何か目標を決めて新しいことにチャレンジする事が好きで、趣味やボーイスカウトの活動を通じていろいろな経験をすることができました。研究や日頃の生活においても、このような学校で勉強する事とは別の経験が生きていると思います。

Q4.理想の未来像は?
技術者として水中ロボット産業の発展に貢献したい
元は学部を卒業したら海上自衛官になるつもりでしたが、実験演習や研究室でのゼミ活動を通じてものづくりの楽しさを知り、大学院に進学して勉強を続けることにしました。水中ロボットの分野においては、深海探査などの調査の他にも、洋上風力発電や海底ケーブルの点検・保守、海底資源採掘への活用などの様々な目的に水中ロボットを用いることが検討されています。こうした目標を実現して社会を豊かにするためには研究が必要です。大学院を修了した後の進路についてはまだ具体的には考えていませんが、本学で水中ロボットの研究開発に必要な専門的な知識と技術を身につけ、技術者として日本の水中ロボット産業の発展に貢献できればと考えています。

東京海洋大学を目指す方へのメッセージ
海洋工学部はかなり特徴のある学部で、海事システム工学科と海洋電子機械工学科では船員志望でない人も船員養成のカリキュラムを取ることができます。実習が多く、船舶に関する研究を行ってきた大学ならではの設備を用いて実験を行うこともあります。学科によって違いもありますが、船そのものについての工学的な内容もあれば、海の法律や海運システムなど、船舶や海運について多角的に学ぶことができるのが海洋工学部です。この学部だからこそ学べることがあると思っているので、興味のある人にはぜひ挑戦してほしいと思います。